こんにちは、今回は
【学校で物隠しが発覚】
犯人捜しはするべきか?
というテーマで記事を書いていきます。
こんな方におすすめ
- これから小学校教員をしていこうと思っている方
- 実際に自分の学級の中で物隠しが発生しているという方
小学校で学級担任をしていると、必ず1度は経験することがもの隠し。
「私の上靴が見つかりません。」
「机の上に置いていた僕の筆箱がなくなりました。」
こんなことが学級内で起こることを、もの隠し事件と言います。
子ども自身が管理不足でなくしてしまっているケースも時々ありますが、誰かが意図的に友だちのものを隠しているという行為はもの隠し確定です。




もくじ
ものがなくなるのは学級が危険だというサイン
ものがなくなったと子どもから申告があった場合、学級担任は
「〇〇さんのものがないそうです。誰か見かけませんでしたか。」
と子どもたち全体に聞き取りをします。
ものがなくなるということが初めてのことならば、みんなで協力して探し、見つかればホッと一安心で済ますことができます。
ものの管理が苦手な子もいますし、どこかに置き忘れたり、みんなのものと混ざってしまって、なくしてしまう子もいるものです。
しかし、このようなことが再三起こると、
「誰かが意図的に隠しているのではないか?」
と担任なら考えておかなければなりません。
もちろん担任も本音では、もの隠しではないと願いたいもの。
クラスでもの隠しが起こるのはショックであるし、事実関係を明らかにするために、ものがなくなった状況を子どもから詳しく聞き取る必要が出てきて、かなりの労力がかかるからです。
おそらく、その日のスケジュールが大幅に変わってしまうくらい手間がかかります。
しかし、なくなったものが、トイレやゴミ箱の中などから見つかった場合は、意図的に隠されていたと判断しなければいけないでしょう。
もの隠しをする子どもの心理

もの隠しをする子どもの心理として考えられるのが、
何かに不平不満を持っていて、そのはけ口にしているケース、
気に入らない子に対する嫌がらせをしているケース、
のどちらか、もしくは両方が考えられます。
どちらの理由であっても、加害者の子どもの中によくない感情が生まれており、それがもの隠しという行為に現れているわけです。
こういう行為は、一度バレずにやり過ごせると繰り返してしまうところもあり、厄介なのです。
まさに、学級が危険な状態であるというサインだということを覚えておいてください。




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見つかったからよかったで済ませてはいけない
もし学級内で、もの隠しが発生した場合は、子どもに問いたださなくてはいけません。
すぐにものが見つかった場合でも、誰かがやった可能性が高いわけですから、子どもたち全体に
「これはもの隠しである」
という事実を説明していく必要があります。
間違っても、
「見つかったからよかった」
と簡単に話を終わらせてしまってはいけません。
そんな簡単に済ませてしまうと、また同じことが繰り返される可能性があるし、こういう事件はしっかり解決しておかなければならないのです。
学級担任からもの隠しの事実を話し、
「誰がやりましたか。」
とクラスのみんなに問い正して、
「私がしました。」
と名乗り出る子どもは、まだえらいです。
そんな子どもは、ことの重大さも正しく理解し、2度としないと約束できる子です。
しかし、もの隠しをする子どもで、自ら名乗り出れる子は少ないです。
全体の場ではなく、
「後で言いに来てください。」
と考える時間を与えても、言いにくることはほとんどありません。
もの隠しは、結局、誰がやったのかわからないということも多く、非常に後味の悪いものです。
なぜなら、子どもが認めていないのに、周りの状況だけで犯人を決めつけるのは、あまりにもリスクが高い行為だからです。
しかし、だからと言って、事件をすぐに終わりにすることなく、学級担任として今後の予防策としてメッセージを送っておくようにします。
「一部の人の軽率な行動で、学級全員が悲しく、嫌な思いをしていることを知っておいてほしい。」
「このような行為は、人として絶対にしてはいけないことだということを忘れてはならない。」
このような言葉をかけながら、担任が毅然とした態度で、
絶対に許せないこと、
人の心を深く傷つけること、
ということを子どもたちに伝えておかなければなりません。
この場面ではあくまでも演技ですが、感情的に伝えることも必要かもしれません。
こちらの本気の姿を子どもたちに見せておくことで、名乗り出れなかった子どもも反省し、今後はもの隠しをしにくくなるはずです。
しかし、これだけのことを伝えても、もの隠しがやめられない子も一定数いるのが現実です。





もの隠しの犯人捜しをするべきか?
もの隠しがやめられない子の背景にあるもの
子どもの中には、1年に何度も人のものをとったり、隠したりする子がいます。
残念なことに、悪い癖となってしまっている子です。
どれだけ周りのみんなが嫌な思いをしてきたかということも、そんな子にはわからないのかもしれません。
もの隠しをする子どもの中には、家族からの愛情が不足しており、寂しいからものに執着してしまう子どももいます。
また、自分が学級を騒がせているという快感を得て満足してしまっているのです。
このような子は、絶対に自分がしたと認めません。
ある程度の状況証拠がそろっていても、平気でシラを切り通します。肝が据わっているとも思えるくらい平然と嘘が言えてしまうのです。
こういう子どもは自らを守る自己防衛本能が強く働いており、自分を守るのは自分しかいないという悲しい現実からそうさせているのです。
(たいていの子どもは、親や家族が守ってくれるという安心感を持てている)
このような子どもは、心の発達が未熟なため、素直に認めるということができない心理状態にあります。
しかし、だからといって、その子のもの隠しを放っておくわけにはいきません。
その子の将来のためにも「絶対にしてはいけないこと」と早い段階から身をもって教えてあげないといけないでしょう。
そうでないと、いつか大人になって大変な事件を起こしてしまうでしょう。
そうさせないためにも、確固たる証拠を示し、もの隠しを認めさせることが本人の救いになるでしょう。
ココに注意
犯人と決めつけた指導は絶対にしてはいけない!
もの隠しが1年間に何度も起こっていると、学級担任は、誰がやっていることなのか、おおよそ検討がついていることが多いです。
ただ、完全な証拠があるわけではないので詰め切れないのです。
間違えても
「隠したのはあなたです。」
「あなたしかいないのだから正直に言いなさい。」
などと言うことはないように。
それを言って、万が一、その子が犯人ではなかった場合は大問題です。
犯人と決めつけて指導するのは、子ども自身を傷つけてしまうリスキーな行為です。
なので、誰がやったことだと検討がついていても、最後までは詰め切れず、こちらが折れてしまうことも多いのです。





どこまで許される?子どもの荷物チェック
それでも担任なら
「なんとしても見つけたい。」
そんな思いになられる方もいるでしょう。
そんな方に最後の手段があります。
それは荷物チェックです。
担任でも、子どもの荷物チェックをするのは勇気のいることです。
みんなを疑うことになり、誰も良い気分にはならないからです。
しかし、
「隠した子を探す」とは言わずに「誰かに隠されているかも」と考えることもできます。
そう考えるなら、机の中のお道具箱を出させてチェックをするのは許されるかもしれません。
まぁこれで見つかるケースはほとんどないかもしれませんが。
教室中を子どもたちで探しても、また校内をみんなで探し回っても、一向になくなったものが出てこない場合は、ものをとった子ども自身(犯人)が持っているケースが多いです。
自分の身にもっておくのが一番安全ですからね。
それでは、子どもが身につけているものをチェックしてもよいのでしょうか。
いわゆるボディチェックです。
軽く服の上から触るとしても、男性の先生は男の子、女性の先生は女の子としておかなければいけません。
そもそも、人の体に触れる行為なので、あまりおすすめできることではありません。
それでも、
「あの子が必ず身に着けているはずだ」
という担任の確信めいた勘のようなものがあるのなら、複数の先生に協力してもらいながら、ボディチェックを決行したらよいでしょう。
ただし、ボディチェックまですると、管理職、保護者から何かしらご指摘を受ける可能性が高いので、その覚悟はしておいた方がいいです。
もし、仮に、服の中に隠したものが見つかったなら、それは結果オーライです。
責められることは一切ないでしょう。
むしろ、
「よく見つけてあげた!」
と称賛されるべきです。
リスクをとって決断した担任の先生はすごい!と思われてもよいです。
見つけてあげることが本人のためにも良いのですから。



もの隠しをした子を見つけたあとの対応
担任がもの隠しをしていた子を見つけた場合は、どのように学級の子どもたちに話をしていけばいいのか、これはかなり難しいでしょう。
どんなひどいことをしていたとしても、
「この子が隠していました。」
と大々的に学級の中で発表などしていいはずがありません。
もちろん、ものを隠された子への謝罪を最優先で、被害者の子とその保護者には誠心誠意を込めた対応が必要でしょう。
何より、隠された子が一番辛い思いをしていたはずだからです。
それを行った上で、この問題をどう終わりへと進めるか。
これはもう言葉で正確に伝える必要はないかもしれません。
なんとなく、周りの子どもたちは気づいてきて、解決したとわかってもらうのがよいかもしれません。
もの隠しをしていた子どもは、しばらくはクラスのみんなから冷たい視線を浴び、つらい思いをしなければならないでしょう。
でも、それはしかたがないことかもしれません。
それくらい大変なことをしてきたということを心に留めておくことは必要です。
これから友だちの信頼を取り戻すために、より一層努力していかなければなりません。
そして、加害者の子が少しでも変わっていく姿を見せれば、子どもたちも自然に許していくでしょう。
それは、大人の先生が決めることではないので、静かに見守っておくといいです。
学校の先生方は、最終的にはどんな子どもでも守るように対応するものです。
どんなひどいことをしてしまった子どもでも、見捨てずに守るのが先生の務めだからです。
もし、大人になって同じようなことをしていたら「ごめんなさい」では済まず一発アウトです。
みんなと同じ社会の中で生活できなくなってしまいます。
だからこそ、しっかり罪と向き合わせ、二度としてはいけないことだと約束をさせるのです。
それができて初めて罪を清算できるはずです。
犯人捜しはほどほどに
それでも、あまり犯人捜しに躍起になりすぎるのもよくないでしょう。
もの隠しをする子どもはほとんど1人であり、その1人のために、そのほかの子どもたちも、先生との話し合いの中で、長い時間、先生からの話を聞かされ、嫌な思いをさせてしまうことになります。
結局、見つからなかったら、心にモヤモヤしたものが残ってしまうので、とられてしまった子どものケアは全力でするべきですが、過剰な居残りや話し合いを続けるのはよくないでしょう。
しっかり学級通信などで、現状を報告し、理解を得られるようにしていくのが得策でしょう。
学級担任ができることは、子どもがもの隠しをしようと思わないよう、居心地の良い過ごしやすい学級を作っていくことでしょう。
常に子どもたちの変化に目を配り、しんどそうな子、友だちとうまくいっていない子などを見過ごさないことです。
じっくりと子どもと関わり、子どもがマイナスの感情を溜め込まないよう、学級経営をしていくことが、もの隠しを防ぐ一番の対策になるでしょう。
より良い学級経営ができるよう頑張ってください。
今回はここまで
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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