教員・教育関係 現場の内情

【どうやって解決すればいい?】不登校児童とその親の対応方法について

2020年11月20日

 

こんにちは、今回は【どうやって解決すればいい?】不登校児童とその親の対応方法についてというテーマで書いていきます。

 

 

こんな方におすすめ

  • これから教員をやっていこうと思っている方
  • 小学校の不登校の問題について興味がある方
  • 不登校対応で悩んでいる方

 

最初に断っておきますが、不登校の問題は非常に複雑で、色んな事情、生活の背景が個々にあるため、これを実践したら解決するというようなものではありません。

 

ですが、私が長年、不登校児童と関わってきて、この問題の奥底に、どこか

「んん??なんか共通している部分があるぞーー」

と感じていたことも事実。その部分をお伝えすることで、不登校児童で悩む方々に何かの役立つことがあるのではないかと思い記事にすることにいたしました。

 

これを読んで、不登校児童と関わる方は、きっと

「それ、わかるわーー」

「そこなのよ、そこっ!」

とめっちゃ納得してくれる方もおられるはず。

 

一方で、これを読んだ親の中で、

「あら嫌だ、私のことじゃないの!!」

「一体どういうつもりよー!」

と思う方もいるかもです。でも、怒ってメールしてくるのなしでお願いしますw。

 

あくまでも、現場で不登校児童とその親たちと関わってきて私が感じてきたことを中心に書いていますので、全てを鵜呑みにはせず、

「何かヒントになることが1つでもあればよいな」

くらいの気持ちで読んでいただけたらと思います。親の立場で読む方はあまり重く受け止めないでください。

 

 

まず、不登校と言っても、学校に全く登校できない子どももいれば、よく休むけど一応学校に行く不登校傾向の子どももいます。不登校とは言っても幅広いですので、今回は、

「年間20~30日くらいは登校できている子ども」

を想定しています。

 

「それ、不登校じゃねーじゃん!」

と言いたくなるかもですが、学校では十分不登校扱いで、要配慮児童に入り、今後の対応策を検討していく必要がある子どもであるのは間違いないです。

 

 

不登校児童を知るにはまず親から

 

不登校の子どもをより良い方向に進めてあげるためには、その子の親を知ることが何より大切。

 

なぜなら、親が実質的に子どもが「学校に行く」「学校に行かない」の決定権を握っていることが多いからです。

親がどう説得しても動かない子どももいますが、上手に登校を促せば登校できる子どもがいることも事実です。

 

その親と子の関係がどうなっているのか、どんな風に関わっているのかをつかまないことにはこの問題をどうとらえていいのかわかりません。

 

不登校の子どもが学校に少しでも登校することがあるなら、先生方は子どもの実態をつかむことができます。

しかし、親のことまでは完全にはつかめません。

 

そこで、教員は親との信頼関係を作っていくことが必要になります。

教員と親との関係構築ができていかないと、親は家庭のことをオープンにしてくれませんので、不登校のはっきりとした原因も見えてきません。

 

誰でもそうですよね。

誰だこのセンコー?状態で、自分の家庭環境を赤裸々に話せますかってことです。どんなヤンママでもですよ。

 

 

私が関わってきた中での話ですが、その親たちにはほぼ共通した特徴がありました。

その特徴を順にお話するとともに、どのように対応すればよいかも私なりに解説を加えていきます。

 

 

不登校児童の親の特徴

 

特徴をお話する前に、不登校児童の親に精神疾患を患っている方も多くいらっしゃいました。親が精神的に不安定な状態なので、規則正しく毎日子どもを学校へ送り出すのが難しいのは容易に想像がつくでしょう。

親の精神状態はそのまま子どもにも影響を及ぼしてしまうものですから。

 

これを書き出すと話がややこしくなるので、今回は精神疾患のケースはなしで、親の子どもとの関わり方や考え方の特徴にスポットを当てて書いていきます。

 

1、放任主義 

 

放任主義とは聞こえがいいですが、全く家で子どもの面倒を見ていないであろうケースです。

事情は様々あるのでしょうが、子どもが学校に登校していなくても気にならない親もいます。

 

子を持つ親なのですが、まだまだ遊びたいんでしょうね。だから、子どもそっちのけで遊びに出歩いて、飲み歩いている。

子どもの夕飯は、自分たちで買ってきて食べておけとばかりにお金だけ置いている。または、おばあちゃんの家に食べに行きなさいとのメールが入っている。

夜は子どもだけで寝ることもしばしば。

 

夜遅くに帰った親は、次の朝、子どもが学校に登校する時間になっても、爆睡中。朝が弱い・・・それ、わかるーーって言っている場合ではないです。

 

睡眠時間が少なくても、せめて子どもが登校するまでは、親も一緒に起きて、準備を手伝ってあげないと小学生の子どもだけに全て任せるのは酷というもの。

 

「いやー先生、わしも、朝に学校に行けよと声はかけるんだよ」

と、いかにもちゃんとやってますって顔して言う強面の親もいました。

 

「そこはちゃんと一緒に起きて手伝ってあげないといけませんよ」

とは言えず、ちょっとあきらめ気味に、

「そうですか・・・」

の苦笑いで終わります。親が声をかけるだけで放っておいて寝ていたら、子どもも甘えて学校を休んでしまうのは当たり前です。

 

親が子どもより先に家を出て仕事に行ってしまうような家庭も似たようなケースで休む子が多いです。

 

こんなことが続くと、どんどん登校するのが難しくなっていきます。

このようなケースは学校でも対応が難しいですので、どう家庭と関わっていくのか、どんな関係機関とつないでいくのかなど考えていかなければならないでしょう。

 

 

2、自分も不登校だったから大丈夫という考え

 

こう主張する親もこれまでたくさんおられました。

「自分も小学生の頃は不登校で、どうしようもない子どもだったが、今こうして仕事をしてお金を稼ぐことができている。」

「だから、息子(娘)も今は不登校でも、どうにかなるだろう。」

だから不登校はOKだという理論です。

 

「なぜ、そんな楽観的に考えられるんだ」

と呆れてしまいますが、この考えは本当に正しいのでしょうか。

 

この理論が子どもにも当てはまるのでしょうか。

いえ、そう断言はできるはずはありません。

 

子どもがなぜ不登校になっているのかという根本的な原因と向き合っていません。

もちろん、不登校を深刻に受け止めすぎて、親子ともに病んでしまわないために、こう考えておくことも必要な時はあるかもしれませんが、親の口ぶりから短絡的な考え方をしているようにしか感じませんでした。

 

やはり、子どもとしっかり向き合って、不登校の原因を一緒に考えていく方向に話を進めていくことが必要でしょう。

 

 

3、学校に行けないのを全て学校側の責任だと考えている

 

こういう他責思考の方も世の中にはけっこういます。

自分たちには責任はなくて、全ての原因は自分たち以外の人たちが作っているという考え方。

 

 

学校の教育方針、担任の関わり方がよくないから、子どもが不登校になったんだという主張をされるのです。

もちろん、いじめなどの重大な事案であれば当然の話ですが、ちょっとした友達同士のトラブルであったり、先生の注意されたりしたことで、学校に行きたくないと言っているなら考えものです。

学校側の本音は

「なぜ、学校の責任になるの?」

と思わざるをえません。

 

子どもの主張は、

「友だちに嫌なことを言われたから学校に行かない」

「あの時注意されたのが納得いかなかったから学校に行かない」

などなど。

 

親としては、子どもがこんな思いをしているなら、無理に行かせたくはないと思う気持ちもわからなくはありません。

 

ただ、学級担任が何も対応をせず、問題を放置したままにしているとも考えにくいです。

もちろん、学校側の対応もうまく統一できていないところも多くあり、同じような問題が続けて起こってしまうこともあります。

 

友だちに嫌なことを言ったりする子がいたとして、その子を指導したとしても、すぐにやめられるわけでもないです。それはどの先生が指導しても、うまくいかないことの方が多いもの。

 

にも関わらず、学校の責任で登校できなくなったというのはどうも府に落ちないところではあります。

不登校の子ども自身が、友だちや先生に責任を押し付けることで、学校に行きたくない理由付けをしているという場合もあります。

 

親がそこを見抜けているかどうかも重要です。

まぁ親に子どものしんどさを受け止めてあげる心の余裕があれば、後押しができたり、励ましたりして、元気を分け与えられますが、親自身が参ってしまっていることが多いです。

子どもの理由付けに気づいていても、どうしようもないのだと思います。

 

対応方法は、親の思い、子どもの思いをしっかり受け止め、寄り添いながら、学校でできることを伝えていくしかないでしょう。

登校刺激をしすぎず、でもいつ登校してもいいからね。というスタンスでは関わっていく。なんとも当たり障りのない関わりになってしまうのは寂しいものですが、そういう対応が必要になる場合もあります。

 

こういう子どもや親と関わっていると、こちら側が

「なぜ、ここまで相手の思いのままにしないといけないのか?」

「学校はちゃんと対応してきたじゃないか?」

などと感情的になってしまうことがあります。

 

でも、ここは忍耐です。

間違っても学校側の対応を正当化するようなことは言わない方がいいでしょう。余計にややこしくなってしまうだけです。

 

 

4、病名に寄り添いすぎている

 

発達障害などの診断名がついている子どもが不登校になるケースも多いです。

 

発達障害のある子どもの親は熱心に勉強されている方が多くいらっしゃいます。

「子どもの特性を理解してやってほしい」

「この子合った学びが必要なんです」

などとよく学校に言ってこられます。

もちろん、これはもっともなことですが、親だからこそ見落としてしまいがちなところがあります。

 

それは、子どもの特性に合わせすぎてしまうということです。

 

例えば不登校のケースで言うと

「子どもは集団が好きじゃないから、学校に行けないのはしかたがない」

「朝起きれない特性なので、学校は無理には行かない」

などよく聞く話です。

 

もちろん、どの程度の話かにもよります。

それでも、全てのことを子どもに合わせなければいけないのかというとそうとは思いません。

 

「子どもの特性を理解することが大切」

とはよく聞きますが、どうもそれを親が拡大解釈し、本当はもっと周りに合わせられるのに、最初から挑戦もせずに、合わせてもらうことが前提で話が進んでいるところもあるような気がするのです。

 

それは親の子への関わり方を見ていると顕著です。

特性に寄り添い過ぎている親は、終始子どもに甘いです。

親が寄り添い過ぎて、子どもが自分の特性を思い通りにするために利用しているケースもあります。そんな子は関わりのが難しい。

 

でも、一方で、発達障害があろうと、できることはさせるというスタンスでたくましく育てている親もたくさんいます。やはりそんな子はぐんぐん伸びていきます。

 

 

子どもに寄り添う親の気持ちもわからないことはないですが、学校側としては、

「学校では一度させていきます」

というスタンスを示していっていいでしょう。

親と話をしても理解してもらえないようなら、表向きは話半分で聞いておき、その実、子どもにやるべきことをさせていく方針でよいかと思います。

その辺はうまいことやっていくのがいいでしょう。

 

 

もう一つ特殊なケースの親もいます。

それは、親が子離れできていないという場合です。子どもの面倒をしっかり見ている親だと思われたいがために、子どもを自分の近くに置いておきたいという心理が働きます。

子どもと一緒にいる時間が長くて、親が子離れできておらず依存関係が続いてしまっているのです。

 

親は子どもが長期間学校に行っていないのは子どもが病気だからだと思い(グレーゾーンの子どもの場合に限る)、病院に連れていきます。いろんな病院に回っては病名をつけてくれるところを探し、診断をもらいます。

これで不登校になっている理由ができるので、親は安心するわけです。

 

ただ、これは不登校の根本的な解決にはならないでしょう。

 

 

一人ひとりに合った対応が大事

 

不登校の親の特徴を4つ紹介してきました。

もちろん、不登校の親がを全てこうだとは思っていません。本当にそうですよ。気を悪くしないでくださいね。

 

学校には行かないけれど、家で目標を持って何かに取り組ませている家庭もあるでしょう。学校に行っていないことがよくないとも一概には言えません。

 

 

しかし、やはり不登校は親との関係が関わっているケースが多いのも事実です。

 

学校側としても、このような親と子の対応をするのは簡単ではありませんが、しっかりチームで連携しながら対策を練っていくことが重要でしょう。

不登校だからこの対応をしたらいいというようなものはなく、一人ひとりに合った対応をしていくことが大事です。

そして、学校の必要性もしっかりと伝えていくことです。

 

学校は学習をする場だけでなく、集団生活を学ぶ場でもあります。

社会のルール

集団の中での規則

対人関係

などは学校で学んでおくとよいことは伝えていきましょう。特に友だち関係を学べるのは大きいですし、友だちが一人できるだけでも劇的に変わる子どももいるくらいです。

 

そんな学校のメリットも伝えつつ、離れすぎない距離感で関わっていくことが大切でしょう。

 

 

今回は以上です。

最後までご覧いただきありがとうございました。

 

 

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