こんにちは、今回は【簡単にできるおすすめ実験】ダンゴムシ迷路の作り方というテーマで書いていきます。
こんな方におすすめ
- これから小学校教員になろうと思っている方
- 理科の実験や生き物が好きな先生方
- 家でダンゴムシ迷路を作ってみたい方
ダンゴムシ迷路を作ろう
小学生の生活科や理科の学習で虫探しをしたり昆虫を育てたりする学習があります。そんな生き物に関わる学習をするときに、おすすめの授業があります。
それはダンゴムシ迷路作りです。
ダンゴムシは子どもにとって最も身近な生き物の一つであり、ダンゴムシは季節を問わず見つけることができます。大抵の学校の運動場にも生息しており、つかまえるのもとても簡単です。
ダンゴムシにはある習性があります。それは歩いていて壁(障害物)に当たると、右に曲がり、次の壁に当たると左に曲がるという進み方を繰り返すという習性です。
つまり右→左→右→左という風に進んでいくのです。
これはダンゴムシが敵から逃れるために、
右→右→右→右
左→左→左→左
とは進まず(このように動くと1周するだけ敵から離れていかない)
右→左→右→左に進むことで敵から遠くへ離れられます。つまり、この動きはダンゴムシ自身が危機から回避するための生まれ持った習性なのです。
本当にこのような習性があるのかを実際に子どもたちの自作の迷路を使って確かめてみるというのが今回の授業です。このダンゴムシの習性を事前に伝えておくことで、本当にその通りになるのかという知的好奇心が生まれ、より楽しく学習することができます。
生き物が苦手な子どもでも、授業の中でだんごむしと触れ合う時間を作ることで好きになることがあるかもしれません。そんな機会を作るチャンスでもあります。ぜひあなたの学級経営にも活用してもらえたらと思います。
それでは、迷路の作り方、授業の進め方を順に紹介していきます。
ダンゴムシ迷路の作り方
所要時間と実施学年について
所要時間は合計4時間で実施するのがおすすめです。図工や理科など2時間続きの授業でするのがよいでしょう。ダンゴムシ迷路を作る時間が3時間で、外でダンゴムシをつかまえて観察する時間が1時間という計算です。
実施する学年は2、3、4年がおすすめです。1年生でも十分楽しめるとは思いますが、迷路を作るのが難しいかもしれません。作成時間が3時間で足りなかったり、ハサミで段ボールを切れなかったりということも考えられるので、時間効率を考えて、実施するなら2年生からかなと思います。
では、5、6年生でもどうかというと、十分楽しめると思います。ただ、理科の授業として4時間実施するのは内容的にちょっと厳しいかもしれません。もちろん、昆虫の生態を調べるという名目で学習することは可能です。まぁその辺は授業数との兼ね合いや、子どもたちの実態に合わせて実施してください。
準備物について
教師の準備物
写真左 B5サイズの画用紙(色画用紙でもOK) 人数分
写真右 A4サイズくらいの段ボール 人数分 段ボールは中サイズの箱3~4個あればこのサイズの段ボールを30枚くらいは切り取れると思います。
ボトルタイプの木工用ボンド
使わなくなったB6サイズ(B5サイズの半分)の紙 50枚ほど
子どもの準備物
ハサミ
セロテープ
色鉛筆
色マジックペン
折り紙
作成の手順と授業の進め方
ダンゴムシについて興味を持たせる
まず、子どもたちにダンゴムシについて知っていることを発表させていきます。いろんな意見が出てきますが、私が行った授業の時はダンゴムシの右左右左の習性を知っている子はいませんでした。一通り意見を出させた後、ダンゴムシの習性についてお話をしてあげます。可能なら、迷路に入ったダンゴムシの動画などを観せてあげると子どもたちの興味がぐっと引き付けられます。
「本当にこんな風に動くのかなあ?」
「確かめてみたいですか?」
「確かめてみたーーい!」
これでつかみはOK。
先生によっては、ダンゴムシの習性を子どもたち自身に見つけさせるという流れで進めていきたい思う方もおられるかもしれません。もちろん、それでもよいですが、習性がバッチリわかる迷路を作るのは非常に難しいので、私は最初の時点で答えを言ってしまう方が良いかなと思い、習性を確かめる授業ということで進めました。
材料を配る
授業前までに、段ボールをA4サイズほどの紙の大きさまで切り分け、子どもの人数分用意しておきます。1枚1枚丁寧に切り分けておく必要もなく、大きさも多少違いがあってもOKです。ざっくり30人分用意しておいたらいいでしょう。ここまでが事前準備です。
では授業の流れを書いていきます。切り分けた段ボールと画用紙を1人1枚ずつ配ります。画用紙は迷路の土台部分として使い、段ボールは小さく切って迷路の壁になる部分を作るよう伝えます。
画用紙はB5サイズがベストです。ダンゴムシのサイズや移動スピードを考えてもB5が最適ですし、これ以上大きくすると、迷路のサイズも大きくなるので作るのが大変になり、3時間での完成は難しくなります。
段ボールで作る迷路の壁の高さは1cm~2cm程度がよいです。この幅で切っていくよう伝えます。定規などで細かく測る必要もなく、ざっくり作業させてあげてもOK。
画用紙に切った段ボールを貼っていくときに使うのが木工用ボンドです。これはボトルタイムのものを教師が用意しておき、B6サイズの紙を教卓の机に並べ、1枚1枚ボンドを出して用意しておきます。これを1人1人取りに来させます。これで作業に取り掛かれると思います。
ここまでの説明で子どもたちは何をしていけばいいかわかるはずです。
迷路を作る
後は自由に迷路を作らせてあげます。どんな迷路を作ったらよいかわからないという子もいますので、そんな子には以下のような見本の絵を黒板に描いてあげましょう。
黒い線のところに段ボールで壁を作っていくように言います。この見本のように、迷路に分かれ道を作っておくと、ダンゴムシが右に進むのか、左に進むのかを確認しやすくなり、ダンゴムシの習性がよりわかりやすくなります。子どもによっては1方向に進むだけの迷路を作る子もいますが、そこは「分かれ道を作るとダンゴムシの習性が分かって面白いよ」などと声掛けをしてあげましょう。
試しに作ってみた作品がこちら
作成の際に気を付けることは、画用紙と段ボールの間に隙間を作らないことです。そんな隙間にはセロテープを貼って穴をふさいでしまいましょう。もちろん、教師側が子どもの作品の隙間を見つけてもあえて黙っておくのもアリです・・・子どもはまさかそんな隙間にダンゴムシが入っていくとは予想していないですから、それを発見できるのも面白いでしょう。
もし、早々に迷路を完成させた子どもがいたら、色鉛筆や色マジックで色塗りをさせたり、折り紙で飾りを作らせたりして、迷路の完成度を高めさせます。そうやって待たせておきましょう。
作成時間は3時間とっておくのがちょうどよいと思います。3時間でも、完成していない子がいる場合もありますが、できているところまででも十分観察はできますので、思い切って3時間で切り上げてしまってもよいかもしれません。まぁその辺は子どもたちの作業の進度によって臨機応変にしてください。
外へ行く前のお約束
一通り迷路が完成したところで、子どもたちに次のようなお話をしておきます。ダンゴムシを迷路に入れて観察をすることは学習であること、ダンゴムシの命も大切であるということです。この授業は生き物の命を学ぶ授業でもあるので、ふざけたり、面白がったりしてダンゴムシで遊んで殺してしまうようなことがないように、子どもたちに生き物の命の大切さを意識させておきます。これは必ずおさえておきましょう。
それから後、確認しておいた方がよいことは、ダンゴムシの習性をしっかり観察することが学習の目的であること、ダンゴムシを1人の子がたくさん取ってしまわないようみんなで分けてあげることなどを伝えておきます。また、先生から見えないところへは探しに行かないことも言っておくとよいでしょう。
ダンゴムシを観察する
いよいよ外へ行って観察開始です。学校内でダンゴムシ探しをします。おそらく5分もたたないうちに、見つけてしまう子がいるでしょう。つかまえてはさっそく自分の迷路に入れて、嬉しそうに観察を始めます。
子どもたちの予想に反してうまく動いてくれないダンゴムシたち。それでも子どもたちからは嬉しそうにたくさん報告をしてくれます。
「僕のダンゴムシ全然言うこと聞いてくれないです!」
「私のダンゴムシは壁をよじ登っていくのよ!」
「大きいダンゴムシより小さいダンゴムシの方がうまく進んでくれるよ!」
「やっぱり右の次は左に進んだよ!」
こういう反応が出てきたら子どもたちが生き生きと学習できている証拠でしょう。きっといろんな発見をしてくれることでしょう。
虫に興味を持たせたいなら遊びから
私が実際に行ったダンゴムシ迷路の授業は、子どもたちにとって楽しい授業の一つになったようです。私が何より嬉しかったのが、虫が好きな子と虫が苦手な子が一緒になってダンゴムシのことで楽しく関わり合えていたことです。ダンゴムシが苦手で触れないという子が触ってみようとしたり、葉っぱに乗せてダンゴムシを運んだりしている姿がなんとも微笑ましかったです。
みんな本当に夢中になってダンゴムシを観察してくれました。
ぜひ、みなさんもダンゴムシ迷路を作って、生き物に触れ合う時間を作ってみてはいかがでしょうか。やはり楽しく生き物に関わってこそ、興味を持ったり好きになったりする第一歩になるのではないでしょうか。
今回はここまでです。
最後までご覧いただきありがとうございました。