今回は、子どもの家庭学習の習慣づけができるシステムを考えたというテーマで記事を書いていきます。
どうぞ最後までご覧ください。
こんな方におすすめ
- 小学校で支援学級担任をしている先生方
- 子どもをお持ちの保護者の方
- 子どもが進んで学習できるようになって欲しいと思っている方
もくじ
家庭学習ができるようになるには習慣化が必要
子どもの教育に大切なことは、できるだけ早い時期から学習する習慣をつけておくことです。ほっておいても成長はしていきますが、習慣は身に付かず賢くはなっていきません。学習する習慣というのは、自分から進んで学習することができるようになることです。
その習慣をつけておくことがなにより大切で、その習慣が身についていないまま小学校に入学してしまうと、「勉強しなさい。」と言い続けないとできない子どもになってしまいます。もちろん、それを言ったところですぐにできるようにもなりません。
まず、小学校に入ったから勉強しなさい、3年生になったから宿題以外にも勉強しなさいなどといっても、子どもの中で納得感が持てません。子どもの立場で言えば、「なぜ、今までそんなことを言わなかったのに、小学校に入ったらしなくてはいけないんだ。」などと思ってしまうのも不思議ではありません。小学生の頃は、自我が芽生える時期でもあり自分のしたいことをつい優先してしまうものです。そんな気持ちは年々強まっていくものです。勉強をすることが子どもの中で当たり前になっていないのですから当然です。なので、そうなってから勉強、勉強と言っても遅いのです。
それではどうすれば良いのでしょうか。
それは、できるだけ早い時期(できれば未就学の時)から、勉強をする習慣を身に付けさせておくことです。
「学習は毎日するものですよ」と教え、自分からできるように習慣化してあげるのです。
そうはいっても、みなさん、忙しい毎日ですから、わかってはいても、なかなか子どもと一緒に学習をする時間と余裕がないのが実情でしょう。そこで、今回子どもの家庭学習の習慣づけができるシステムの登場です。ちなみに我が家でも実践しています。
家庭学習システムの紹介
まず、家庭学習システムを作る準備をしていきます。色々と学習をする上で整えておかなければならないことがありますが、そんなに難しいことではありません。順に説明していきます。
準備物
机(テーブルでもよい)、椅子(なんでもよい)、傾斜台(用意できればでいいです)、書類収納ケース(A4の紙が入る4段ボックス)、しきりボード(100円ショップのカラーボード)
理想の環境がこちら↓
場の設定
椅子に座って、学習をするスペースを空けておきますが、表サイドに書類収納ケースを置きます。目線の先には、しきりボードがくるようにします。できれば、真っ白なものが良いです。子どもは机に座って学習に臨んでいても、いろんなものが視界に入ってきたら気が散ってしまうものです。しかし、これがあることで集中が途切れにくくなります。
書類収納ケースに入れるもの
やり始めの頃は、興味のありそうなプリント類をたくさん入れてあげてください。ネットでも未就学児のプリントや小学生用のプリントがダウンロードできます。探してみてください。我が家ではネットのものは大体やったので、お店に売っている学習本を使っています。もじ・かずの基本の問題集やめいろの問題集などカラーだとやる気が出ていいです。
進め方
収納ケースの順番を決めておきます。子どもには順番通りにケースを開けて入っているプリントを取り出してするように説明します。できたら、右下のおしまいのケースに入れさせます。こちらで○つけをしてあげられるなら、その場で受け取ってあげて〇をしてあげたらよいと思います。
そして、ケース2番へと進みます。最後のケースまで行けたらご褒美シールを渡し、プリントに貼らせてあげます。いくつのケースをすればいいかは子どもの実情に合わせてください。最初の頃は子どもの様子を観察しつつ一緒に〇つけ、シール貼りをしてあげてください。
子どもへの説明のしかた
その子どもの年齢にもよると思いますが、
「今日から、勉強をするから、毎日頑張るんだぞ」
などと言ってしまうと、子どもは身構えてしまうし気が重くなってしまいます。あまり、勉強や学習だと言ってさせない方がよいです。そうではなくて、
「こんなものを考えて作ったんだよ、やってみよう」
「おもしろいものがいっぱい入っているよ」
「楽しいから、これやってみない?」
「これができるようになったらすごいよ」
などと意欲が出てきそうな声かけをしてあげます。もし、子どもが乗ってきたら第一関門クリアです。
次は、一度やらせてみて子どもがどのくらいの集中力があるのかを見極めておきましょう。どのくらいの時間、椅子に座って、字を書いたり、作業をしたりすることができるかを見てあげます。その子どもの実態によって、量も調整してあげるとよいです。どんどんできる子は好きなだけさせてあげたらよいですが、途中ですぐに気が散ってしまったり、飽きやすい子は、最初から全部するのはしんどいと思います。
「今日は、3枚だけやってみよう」
「もう2枚頑張ったね、あと1枚だけ頑張ろう」
などと、前向きになれる言葉をかけながら進めてください。慣れてきたら、作業スピードは上がってきます。急がずじっくり取り組ませてあげましょう。
学習システムのメリット
達成感を得られる
家庭学習の習慣をつけさせようと思って、毎日、漠然とプリントを渡してやらせてしまうと
「今日は、プリントを何枚すればいいのかな」
「どこまでしたら終わりなのか」
など見通しが持ちにくくなります。
また、日によって枚数を変えたりすると混乱してしまい、意欲も下がってしまいます。
できれば一定期間は枚数は変えず、その子がちょっとの努力で達成できる数にしておいてあげるのがよいです。なにより、椅子に座って学習の習慣をつけることが第一の目的で、「机に向かったら静かに学習する時間の始まりだ」というそんな意識を体に染み込ませていくができるようになればいいのです。毎日続けていくことでやる気のスイッチが入り作業が進んでいくようにもなります。
そういった体験をたくさん積ませてあげるのです。それを繰り返すことで達成感を得ることができます。焦らずとも、やっていくうちに課題の数はどんどん増やしていけるようになります。2か月単位くらいで子どもの課題の難易度の見直しをしてあげるとよいでしょう。
分かりやすさと手軽さ
この学習システムのメリットは、始まりと終わりが子どもにとって分かりやすいということです。ケースを順番に開けていき、終わったら次のケースを開けるという手順で進められるので、後、どれくらいで終わりなのかということも見て分かります。また、ケースの中に学習教材さえ入れて置いておけば、自由に子どもがしたいときにもできます。
「1枚だけしようかな」
「今日は図形のプリントだけしよう」
などと言って、自分からすることもあるはずので準備だけしててあげるといいです。慣れてきたら、こちらがずっと横についてみておく必要もなくなります。
いろんな学習教材を入れられる
プリントだけをするのではだんだん飽きてくるので、頭と手を使って行う活動もたくさんケースに入れてあげておくとよいでしょう。例えば、10玉そろばん、パズル、時計のおもちゃ、絵カードなどです。実際に触って操作する活動はとても大切ですし、子どもにとっても楽しいので、長続きしやすいです。このような教材は、未就学児から小学校2年生くらいまでなら楽しんで取り組めるのでおすすめです。
飽きてしまった時の作戦
色々なやってはいても、子どものモチベーションもだんだんと下がってきます。結局やらないようになってしまうケースも多いでしょう。
そんな時は次の作戦です。その名もご褒美作戦!目標を一緒に決めて、ゴールできたらご褒美を作ってあげます。
ご褒美をもらえる回数は子どもの実態に合わせて決めてあげてください。
もちろん、子どもが嬉しくないご褒美は効果がないですし、かといって高価すぎるご褒美も良くありません。また、ご褒美まで遠すぎるとやる気が起こらなくなってしまうでしょう。近くのゴールと遠くのゴールでご褒美を分けてみてもいいかもしれません。
ちなみに我が家のルールでは、1日3課題できたら(ケースの中3枚)シール1枚。1日で課題全部できたら(ケースの中7枚)シール2枚ゲットとしています。
そして、
シール100枚貯まったら、スーパーご褒美!
途中、30枚、60枚でも小ご褒美をつけています。とにかく、ねらいは習慣化することなので、できるだけ毎日できるように、子どもに意識付けをしていけるよう声をかけています。
始めるなら早い時期からがおすすめ
色々書いてきましたが、習慣化することができたら、子どもが小学校に入学しても宿題など自分から進んでできるようになります。
学力については、できるだけ早い時期から大人が意識して子どもに関わり、自分から学習できるように育ててあげる方が学習効果が高くなり、学力の高い子に育つというデータが出ています。未就学、小学生の時に手をかけてあげる方が中学生、高校生になってから、家庭教師や学習塾に行かせるよりも、学習の効果が高いということです。なぜなら、自分で進んで学ぶ習慣がついているからです。
長時間、座って学習する集中力や根気が身についているということです。もちろん、効率の良い学習のしかた(テクニック)は知っておかなければなりませんけれど。
なによりも早い段階から習慣化させておくのが大切というのはそういう観点でも言えるのです。これから、ぜひやってみようという方はスタートする前に、子どもと話し合い、ルールを決めてから始めるようにしましょう。
基本的に、声かけだけでできるようになるとは思いますが、子どもが小さい内は、やはり横について見てあげる方がいいです。親に見られていることで気持ちも引き締まり、子どもの学習効率は上がります。私たちが子どもの課題もしっかりつかめます。できた時にすぐにほめてあげることができるのはいいですね。ほめることは大切ですからね。
引き続き、我が家では実践していきますので、また新しい情報などを発見できたら記事にして書きたいと思います。
追記、家庭学習のシステムを始めて早1年。必ず毎日できているわけではないですが、大体自分から進んで椅子に向かって学習に取り組めるようになっています。こちらが言わなくても学習できるということが増えてきました。また、最近は次のステップとして、学習課題の量だけでなく学習の時間も決めて取り組ませています。現在の目標は15分です。この時間は必ず机に向かうようにしているのです。
みなさんもぜひ実践してみてください。きっと何か変わるはずです。
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今回はここまでです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。