こんにちは、今回は【プリントが散らからず、机の上が片付きます】教員のファイリング術を紹介というテーマでお話していきます。
こんな方におすすめ
- これから教員をしていこうと思っている方
- プリントの整理整頓が苦手な先生方
もくじ
職員会議前は大慌て?
プリントが多すぎて整理できない
学校では、先生用に配布されるプリントが非常に多くあります。毎日のようにプリントが3枚、4枚配られ、放課後の先生の机の上はいつもたくさんのプリントが配られているような状態です。また、さまざまな種類のプリントが配られますので「後で読んだらいいのでとりあえずしまっておこう。」と思って机の中に入れてしまったら最後です。結局一度も見なかったり、どこかへなくしてしまったりするのです。そんな方が非常に多いと思います。
日頃からプリントの整理をまめにしていないと次のようなことが起こります。よく見かけるのが、「この前配られていたあのプリントはどこだったっけ?」って探し回っている先生方の姿です。職員会議中に一緒に読んで確認する際、そのプリントをすぐに用意できないのです。前日までに会議用のプリントが大量に配られているので、配られたプリント整理せず、すぐに重ねてしまったり、机の中に入れてしまったりすると、このようなことになってしまいます。結果、大量のプリントの中から必要なプリントを焦って探さなければならなくなります。これって非常に時間のロスです。
やっとの思いでプリントを見付けた時には、もう会議の話し合いは終わっていたなんてこともよくあります。先生方なら一度はこのような経験をされたことがあるでしょう。今後、このようなことがないように、どうやってプリントを整理しておけばよいのか。そんなプリントだらけの毎日で苦労することがないように、教員のためのファイリング術をお教えしたいと思います。
教員のファイリング術
事前にプリントの種類ごとに選別しておく
コーヒー片手にだってできることだし、一度でも目を通してしまえば、そのプリントの存在を覚えておけるからです。
もし、あなたが新しい学校に赴任したばかりだったとしても、数日その学校で過ごしていれば、職員室で配られるプリントの種類がわかってきます。基本的には、配られたプリントはすぐに目は通しておくようにしましょう。目を通すというのは、さっとどんなプリントなのかを確認する作業です。そして、次の4種類にプリントのどれに当たるのかを選別をすることができるはずです。
1、その場ですぐに目を通せるプリント
すぐに目を通せるプリントというのは、パッと見て文字数が少ないプリントや以前出ていたプリントの追加版・修正のお知らせプリントなどです。これらのプリントはすぐに読めます。また、B5サイズのものはすぐに読むと決めていてもよいかもしれません。ただ、少々文字数が多くても、そのプリントの行事の日程によってはすぐに目を通しておいた方がよいものもあります。一度読んでしまえば、もうある程度頭に入っているはずなので、あとは好みでファイルに綴じるか、プリントを重ねておいておくか自分で決めても大丈夫でしょう。
2、捨ててもよいプリント
これはあまり大きな声では言えませんが、教員用に販売される広告、チラシ・教材屋さんの新商品のお知らせなどが時々配られます。パッと見て今、必要のなさそうなものなら、すぐに捨ててしまいましょう。これを捨てて、後で後悔することはそうそうないので問題ないでしょう。貯めておいても絶対に後で見ることはありません。
3、家に持って帰って読んだ方がよいプリント
研修の案内、教職員の福利厚生に関わる生活協同組合などの案内は定期的によく学校に届きます。怪我・病気・自動車の保険・年金などの自分の将来設計を考えていくための大切な資料ですが、学校の仕事に直接関係するようなものではありません。そんな資料をわざわざ学校で読まずに家に持ち帰ってゆっくり読むのが一番よいでしょう。その他に扶養控除申請書などの事務的な書類、資料なども持ち帰って家で読む方がいいでしょう。
4、じっくり読むプリント、何度も読むプリント
じっくり読んでおいた方がよいプリントというのは、職員会議等に提案される案件のプリントです。各校務分掌ごとに提案プリントが配布されるので、その時には、自分の学年の行事に影響しないか、自分たちがその提案通りにやっていけるのか、何か問題点はないのかなど、じっくり読み込んでおく必要があります。事前に読んでおくことで会議で話し合うことが明確になり、話についていけないということがなくなります。何度も読んでおいた方がよいプリントというのは、行事予定表などです。この行事予定は何度も読んで予定をチェックしながら仕事を進めていくのでいつもすぐに読めるようにしておくといいです。このようなじっくり読むプリントや何度も読むプリントはファイルに綴じておくことをおすすめします。
この4種類を意識してプリントを選別することで、散らかることなく整理することが可能です。間違っても、プリントを見ることもなく、机の上や、机の中にプリントを溜めこまないようにしましょう。
ほとんどのプリントは月ごとにファイリングする
私がおすすめしたいプリントのまとめ方は、配られた月ごとにプリントをまとめていくという方法です。例えば、4月に配られるプリントは、4月用のファイルに綴じていくという方法です。そして、5月になると新しいファイルにまた1から綴じていくのです。これで、職員会議前も、その月のファイルを1冊出しておけばすぐに探したいプリントを探せます。ファイリングしようか迷った場合も、ひとまずこの月ごとファイルに綴じておくのです。これで、「あのプリントはどこに行った?」と探し回ることは格段に減ります。
ひと月ごとにプリントをファイルに綴じていくとファイルがたくさん必要になると思われるかもしれませんが、ファイルは最低4冊あればよいです。4月、5月、6月、7月と綴じていって、4冊で1学期分全て綴じてしまうことができます。8月が夏休みなので、次は9月分です。9月分からは新しいファイルは使わず、4月分のファイルを使いまわしましょう。4月分のプリントはもう見ることはほとんどないので、ファイルから外してしまい、そのファイルを9月分にするのです。
毎月の行事予定のプリントに関しても、同じようにこのファイルに綴じていってもいいでしょう。ただし、頻繁に見ることが多いので、常にファイルの一番前にくるようにしておきましょう。もしくは、行事予定表だけは、クリアファイルなどに別に入れていくのも手です。私の場合は行事予定は毎日見るので、常にクリアファイルに入れて机の上においています。これはどちらでもいいと思うのでお好みでどうぞ。
唯一、別ファイルに入れておいた方がいいプリントがあります。それは、自分が校務分掌で担当している仕事のプリントです。例えば、あなたが学校の校内研究推進(呼び方は学校によって色々です)の仕事を担当していた場合、その仕事の種類のプリントだけは別ファイルに綴じておくということです。その理由は、自分が属する仕事のプリントは職員会議で提案したり、説明したりする場面があるため、さらに読み込んでおく必要があるからです。また、その担当同士で集まって会議をするときに、その仕事に関するプリントだけに分けておいておくと、わかりやすいです。
おすすめは穴あきパンチでファイリング
ファイリングするといっても、さまざまな方法があり、大体次の3パターンがあります。
1、ビニールシートが綴られているファイルに綴じていくか
2、穴あけパンチで穴をあけて綴じていくファイルにするか
タイプ①
タイプ②
ノートを買ってそのノートにのりで張り付けて綴じていくか
写真はありませんが、折り曲げながらノートに貼っていく方法です。
結論から言うと、ファイリングするなら、穴あきパンチのファイルを使うのがよいです。
こちらの大きなリングが2つついているタイプのものが一番使いやすいと思います。パンチを1回するだけでいいので手間ではありません。唯一の難点は、穴が二つなので、穴がすぐに破れてしまうということです。それだけ気をつけておけば、こちらのファイルでファイリングしていくのが一番おすすめです。
ビニールシートのファイリングがなぜダメなのか私の経験から言わせていただくと、ビニールシートのファイルは綴じるのは簡単(ビニールシートにプリントをはさむだけ)ですが、すぐにいっぱいになってしまいます。100円で購入できるファイルだと、1つのファイルにビニールシートが30枚くらいしか入っていません。また、ビニール自体もペラペラで、すぐにクシャクシャになってしわだらけになります。もっと丈夫なビニールファイルを買うとなると、それなりにコストもかかりますし、毎月このファイルを買って机の中にしまっていくととてもかさばってしまいます。なので、
ビニールシートファイルは、ずっと置いておきたいもの、保存しておきたいもの用に使うのが向いていると思います。
学校のプリントの保存期間はどのくらい?
プリントの保存期間については、1年間ずっと置いておく先生もいれば、読んだらすぐに捨ててしまう先生もいました。いろいろ先輩方にプリントの保存期間を聞いてきましたが、明確な答えはなく、このくらいの期間が最適というような答えは出ませんでした。人それぞれというのが結論です。
保存期間を決めるポイントは、あなたが過去のプリント(データ)を自分から見返すタイプか。それとも、人に聞いて解決するタイプか。のどちらに該当するのかということです。これまでに一度でもあなたが何か月か経った後、過去のプリントを見返すことがあったのならば、ある程度の期間はプリントを置いておくのがよいでしょう。今やほとんどの学校で、先生方が作ったプリントの元データはパソコンの中に残しておけるはずなので、プリントは捨ててデータを調べてもよいわけです。もちろん、プリントを置いておくのが一番確実ですけどね。
あなたがこれまで過去のプリントを見返すことも、データを探すこともなく、いろんな人に聞いてわからないことを解決してきたというのなら、これからも迷わず捨ててしまっていいでしょう。その人間力でなんとか乗り切っていけるはずです。
ちなみに、私は教員5年目くらいまでは、1年分常にプリントを全てストックしておりました。「もしかしたら、見返す時がくるかもしれない!」そう信じて残していました。しかし、残念ながら1度も見返すことはありませんでした。そもそも、過去のプリントをゆっくり見返す余裕なんて1度もなく、大体先輩の先生方に教えてもらっていました。過去のプリントを読み返さなくても、その学校の勤務年数が長い先生に聞けば大体わかるものです。そんな方は本当によく覚えています。
結局1年分たまったプリントを長期休暇中にシュレッダーで裁断していかなければならず、無駄な仕事だったなと今では思います。6年目くらいからは、自分が属する担当の仕事のプリント以外はポイポイ捨てて行くようにしました。それで、困ったことは今のところありません。
結局のところ、自分に合った方法でプリント管理していったらよいということですが、私は即捨てを推奨します。(笑)
学校のプリント配布の現状と今後
学校からお知らせをする時は、プリントを印刷して全児童に配っています。このペーパーレスの時代に「まだプリントを配っているの?」と驚きの声が聞こえてきそうですが、学校現場ではまだほとんどの学校でプリントを印刷して配っています。子どもへの宿題・連絡はプリントを用意せざるを得ませんが、保護者へのお知らせなどはメール等で随時伝えていくように変えてもよいのではないでしょうか。先生方が毎日、授業時間を削ってプリントを配布する時間は非常に無駄であり、その時間を授業に使う方が有意義です。
先生用に配布するプリントもファイリング術が必要なくらいですから、プリント配布はまだまだ多いのが実情です。職員会議用のプリントを減らしておこうという流れはあるものの、プリント推進派とデータ移行派に分かれていて、抜本的な変化はまだ起こっていません。
プリント推進派の意見としては、プリントが手元にあることで、さっとプリントの全体を見渡せることができる、持ち運びができるので便利だという意見です。確かに、プリントを見ながら外で作業をしたり、授業で説明したりする場面が多いのは事実です。プリントがないと不便だと思っている先生方も多いようです。
一方、データ移行派の意見は、毎月の配布するプリントの量が多すぎる、プリントで配布するものは必要最低限に減らすべきで一度しか目を通さないようなものはデータに保存しておき見られるようにしておけばいい、プリントを見ながら会議をする必要はなくパソコン内のデータを共有して見ればいいので印刷はいらない、そもそも印刷して先生方に配るのも大変ではないか、データ化すれば紙代の節約になり予算を有効活用できる、などの意見です。
どちらの意見も一長一短あり、はっきりとした線引きができない状態で、結果、現状維持になり、多数のプリントが配布される状態が続いているのです。
いずれにしても配布されるプリントの数が減っていくことには変わりはないでしょう。経費削減、働き方改革など時間とお金を有効に使おうという流れの中、わざわざプリントを印刷する作業をこれからも続けていくとは考えられません。近い将来、子どもに1台スマホを持たせて、そのスマホを使って授業をしているようになるでしょうから、プリントもデータで送信してしまえばいいのです。早くそんな未来を見てみたいものですね。
ファイリングマスターになろう
いずれにしても、学校でのプリント大量配布の現状が変わるのはもう少し先の未来ですので、それまではまだファイリング術が必要になりそうですね。これまで紹介した学校でのプリントのファイリング術を少しは活用できそうでしょうか。学校で配布されるプリントは、全部読むのが不可能なほどたくさん配られますので、特に、初任者の先生方・経験が浅い先生方は、効率よくプリント管理をしていかないと仕事が回りません。
配られたらすぐ読む、すぐ捨てる、すぐ綴じるができるようになることが大切です。これも立派な教員のスキルですので、このスキルを確実に身に着けることができるだけでも、「先生、あのプリント見せてくれませんか?」「先生、あのプリントのこと教えてください。」などと頼られること間違いなしです。そんなファイリングマスターを目指して、楽し学校生活を送ってほしいと思います。
今回はここまでにします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。