こんにちは、今回は【職歴なしから教員を目指す②】教育実習後にするべきことというテーマで記事を書いていきます。
こんな方におすすめ
- 転職を繰り返していて、教員に興味がある方
- 無職の期間が長く、どんな仕事をしようか悩んでいる方
- これまでに職歴はないが、教員になることにかけてみたい方
今回は、小学校免許を取得を目指して教育実習に行くことになったという仮定で話を進めていきます。
教育実習は、あなたが教員を目指してから初めての学校現場の経験となります。職歴なしからの教員になるためには、現場に入ってからが本当の闘いであり、一番大事なポイントです。どうぞ最後までご覧ください。
常勤講師のハードルは高い?
教員免許を取得までもう少しですね。いよいよ、常勤講師(臨時的任用教員)、非常勤講師(会計年度任用職員)への道が近づいてきました。もう少しで無職からも卒業です。
まずは嬉しい未来を想像してみましょう。
職歴なしから常勤講師として雇用されるということは、これからも常勤講師でキャリアを積むことができる=教員採用試験合格の道が開ける、ということになります。そして、それは正規の教員になることが現実的になってくるということです。やるなら正規の教員を目指して頑張りたいところですね。
できるだけ早く、教員としてのキャリアを積んでいきたいと考えるなら、非常勤講師より断然常勤講師の方が上です。
それは、常勤講師の方が仕事の内容も勤務時間も正規の教員に近いからです。そして、学級担任を受け持つことができたら、大きくキャリアアップを果たせます。
いきなり常勤講師は自信がないという方は非常勤講師から挑戦してみてもいいでしょう。
常勤講師で学級担任を受け持つと、生活指導面(子どもと接し方・指導のしかた)と教科指導(各教科の授業の進め方)を同時に進めていかなければなりませんが、非常勤講師なら、授業だけに専念しやすいです。
可能なら、1年目は非常勤講師を経験し、2年目から常勤講師をするというのもアリだと思いますが、そもそも教育委員会から声がかかり、どちらを希望するかと聞かれた場合に限ります。
教育委員会の本音
それでは、現実的な話をしていきます。
職歴なしの教員にとって、常勤講師、非常勤講師の雇用されるというのが一番難しい関門となります。
せっかく教員免許を取って働くための資格を得たのに、いくら講師登録をしても、市区町村の教育委員会から依頼が来ない。依頼が来ても、面接で不採用になる。
おそらくほぼ、このようなパターンに陥るでしょう。もちろん、講師の採用の合否を握っているのは教育委員会です。
「えっ?今は教員が不足しているのではないの?」
と思われるかもしれません。
どこの教育委員会も、現場の教員不足解消が喫緊の課題であることはわかっており、教員免許を持っている人に一人でも多く各学校に配属したいと思っています。
しかし、だからと言って、免許取り立ての職歴がない30、40代の先生まで雇用をしようと考えるほど甘くはありません。
その理由はお察しの通り、職歴なしの方を現場に配属するのはリスクだと考えているからです。本当にその先生が学校の役に立ってくれるのかが疑問なのです。
こちらがどんな思いで教育委員会に足を運び、人生をかけるほどの思いで教員になり、そして今日まで頑張ってきたのか、などということも何も考慮されません。まず最初に考慮されるのは、紙切れ1枚の職務経歴書のみです。
悲しい現実ですが、こうせざるを得ない現実もあります。
今、教員は世間から厳しい視線を送られています。ニュースでも報道されている通り、対児童・教師暴力、いじめ放置、わいせつ等の不祥事が相次いでおり、どこの教育委員会もこのような問題を起こさないよう神経をとがらせています。再びこのような問題が起こると、マスコミから袋たたきに合い、苦しい立場に立たされてしまいます。それを防ぐためにも人選には慎重にならざるを得ないのです。
もちろん、このような問題は、教育委員会が頑張っても防げることではありませんので、
「現場でこんな問題は起こさないように」
と注意喚起することしかできません。
教育委員会が一番恐れているのは、教員がこのような問題を起こしてしまうことです。
また、中には雇用してもすぐに、大した理由もなく途中退職をしたり、学級崩壊させたり、学校にクレームばかり言ったりして、学校を困らせる教員がいることも事実です。
そんなことが起こってしまうと、教育委員会は学校の校長から
「なんという酷い先生をよこしてくれたんだ!」
「余計に学校がしんどくなってしまったではないか」
「教育委員会は一体どんな人事をしているんだ」
などと批判される事態だけは避けたいのです。こんなことが起こったら教育委員会のメンツは丸つぶれです。
もちろん、中にはいるかもしれませんよ。学校現場に対しては
「申し訳なかったです。また新しい先生を配置できるようにいたします。」
と真摯に対応できる方や、常勤講師を希望する方に対して、
「あなたは職歴なしの教員1年目ですが、やる気を感じられるから採用します。」
「うまくいかなくても責任は私たち教育委員会が取るから一生懸命頑張ってください。」
こんな攻めの姿勢を持った頼もしい方もいないとは言えません。こんな方がいる市区町村があるなら、そんなところで働きたいですよね。
でも、大抵は、学校に迷惑にならないよう、教育委員会のメンツを守るため慎重に人選します。これが現実です。
では、このような状況からどうやって雇用されるところまでこぎつけるか・・・ここからが本題です。
教育実習から小学校とつながる
先生方との交流
実は、職歴なしの方が講師として採用されるためには、教育実習期間が非常に重要ポイントになります。
教育実習は教員免許取得の単位の一つに位置付けられているため、基本的には避けては通れません。
ほとんどの人は、この2週間~4週間の教育実習を、現場で学級経営の基礎を学ぶ機会として参加することだと思います。
しかし、職歴なしの方がこのような意識だけで参加していては他の実習生との差ができません。
学級経営の基礎を学ぶ機会だけではなく、現場の先生たちとたくさんコミュニケーションを取るようにするのです。特に、校長先生とは、ていねいに話をして情報を集めておくのです。
今、実習先の市区町村の学校ではどんな問題を抱えていて、どのような人材が求められているのか。そのような情報は校長先生が一番よく知っています。学力の低下が問題である場合もあれば、不登校児童の問題を抱えている場合もあれば、子どもが荒れてトラブルが多いのが問題なのか、それは校長がよくわかっています。そこを掘り下げて聞くことで、その市区町村でどんな教員を求めているのかもわかるはずです。
あとは、求められている人材に近づけるように勉強をしていくのです。
校長先生との話の中でどんどん意見をぶつけることができるくらいまで知識を高めておけば、かなり教員としてのレベルアップにもつながるはずです。
そして、そうやってコミュニケーションを取っておけば、必ずこのような声をかけてもえらるはずです。
「来月に運動会がありますが、お手伝いに来てくれませんか。」
「教育実習が終わってもこの学校に引き続きお手伝いに来てくれませんか。」
「今、先生方のサポートをしてもらうためのボランティアスタッフを募集していますが、いかがですか。」
こういう声かけをしてもらえたら進んでいくことをおすすめします。声をかけてもらえなかったら、ボランティアの仕事はないかこちらから聞いてみてもいいでしょう。
学校ボランティアのメリット
なぜ、そのようなボランティアに行った方がいいのかと言うと、引き続き現場で経験を積むことができるからに他なりません。
教育実習で終わってしまうと、それでパタリと学校現場との関係が切れてしまいます。しかし、ボランティアとして現場に残り、子どもたちと関わり活躍していることで、どんどん学校現場のことがわかってくるのです。報酬がほとんどないボランティアだから見えてくるものもあるのです。思わぬチャンスが転がってきたりもしますしね。
もちろん、実習が終わって実習校から離れても、市区町村のホームページなどを探すと、ボランティアスタッフを募集していることがあり、再度そこから関係を作ることもできますが、教育実習から続けてその学校にお世話になる方が断然スムーズです。
実習後から引き続き、現場のお手伝いをしながら、先生方と関わり、仕事ぶりを見ておくのです。
校長にボランティアの頑張りが認知されてくると、その情報が教育委員会へと伝わるかもしれません。中には教育委員会を動かすほどのに影響力を持った校長先生もいますので、あなたの勤めた学校の校長がそんな校長だったらラッキーですよね。きっと、良い報告をしてくれるはずです。
このように、教育実習からのつながりで、小学校でボランティアを長く続けていれば、
「〇〇さんは、職歴もはなく、教員も初めてだが、とても熱心で信頼ができる方だ」
「〇〇小学校で長い間ボランティアとして貢献してくれている」
「一度、常勤講師として声をかけてみようか」
という流れになり、雇用されるチャンスが出てくるのです。
まさにそんなチャンスを作ることができるのが、教育実習なのです。
次回は、学校ボランティアの内容と常勤講師の雇用までの流れをもう少し詳しく説明したいと思います。
今回はここまでです。
最後までご覧いただきありがとうございました。