今回は
【モンスターペアレント?】
こんなパワハラ保護者に要注意
というテーマでお話していきます。
こんな方におすすめ
- 学校の保護者対応の現状を知りたい方
- これから小学校の教員をやっていこうと思っている方
- 保護者の対応に自信がない方
もくじ
モンスターペアレントと言えど定義は難しい
モンスターペアレントという言葉はご存じかと思います。
モンスターペアレントの定義の線引きは難しいですが、
簡潔に言うと、
しつこく不当な要求を繰り返してくる保護者のことです。
もうかれこれ数年前から話題になっています。
本当に教師をしていて、
「そんな保護者に出会うことあるの?」
「話を誇張しているだけではないの?」
と思われるかもしれませんが、
私の経験上、
ほぼ100%出会うことになります。
ただ、多くの方が勘違いしてしまうのは、
初めからモンスターペアレントである親は少数であり、
担任や学校の対応によって、普通の保護者がモンスターペアレントへと変わってしまう
というケースがほとんどだということです。
そのようなケースは数え上げたらキリがないでしょう。
もちろん、モンスターペアレントと化した保護者自身に、そんな認識など微塵もなく、
「学校の対応は悪いからこれからどんどん言うべきことを言っていくわ」
「良くない学校をよくしてあげているのだ」
などと思って、世直しをしているような感覚の方すらいます。
まぁそんな保護者の話をしだすとキリがないので、
今回はもう少し絞って考えます。
モンスターペアレントというより、
「この保護者、ちょっと話が通じないぞ!」
と感じるほど、
対応が難しかった保護者の特徴をお話をしていきます。
私がこれまで担任をしてきて、
「正直、とてもきつかった・・・」
と思った保護者の特徴を3つ紹介します。
そして、そんな保護者にはどのような対処をしてきたのかも合わせてお話します。
対応が難しかった保護者の特徴
① 初対面から高圧的な態度で接してくる
このように接してくる保護者の根底には根強い
教師への不信感があったりします。
過去に学校側の子どもの対応に不満を持つ出来事があったり、保護者自身が過去の経験から教師をよく思っていなかったりしているのです。
こういったことを引きずっているわけです。
また、学校との関わりを白か黒かみたいに
「自分より偉いか?」
「自分より弱いか?」
などの上下関係で関わり方を判断しています。
強い相手にはペコペコ、弱い相手にはとことん強気に出る。
教師と言う立場は、昔は世間一般的に上の立場でしたが、今はもうそうではありません。
一応、表向きは保護者=教師で同等の立場ですが、
現実は、保護者>教師の構図になっており、
その関係性を分かった上で、上から目線でものを言ってくるのです。
上から目線なので、初対面であろうとマナーも何もありません。
「あんたが担任か!」
「しっかりやれよ!」
「子どもに何かあったら承知しないぞ!」
みたいなことも平気で言ってきます。
初心者がこれを言われると、かなりメンタルやられてしまいでしょう。
過去に出会った高圧的な保護者とその対応策
私が過去に出会った保護者にもこんな方いました。
学級がスタートして間もない頃、
持ち物のことで保護者へ連絡をしたわけです。
誰でも電話であれ初めて話す方には、丁寧に受け答えをするでしょう。
私たち教師は、特に保護者に対して下手に出て話をするでしょう。
確か、上靴か体操服が小さくて入らなかったので、
「大きいサイズを用意してあげてください。」
みたいなことを。
すると、私のちょっとした言葉の上げ足をとって、いきなり言いがかりをつけてきたのです。
「今の言い方、言葉遣いがなってないじゃないか!」
「教師なのに正しい言葉を知らんのか!」
「子どもをバカにしているのか」
などと高圧的な態度でまくし立ててきたのです。
こっちは内心、
「なぜ切れられないといけないの?」
とイライラしてしまい、
「言い返したろうかな」
「適当にあしらって電話切ったろうかな」
などと思いましたが、
これじゃあ埒が明かないと思い、
「こちらの伝えたいことが伝わっていないようなので、今から行って直接お話しますね。」
「おう、待ってるわ。」
「今からこれんのか?」
「はい、行きます」
「じゃあ待っとく、早く来いよ!」
一応、行くことにしたのですけど、本心なぜ???ですよ。
ただ、相手に真摯に対応する事で、その後打ち解けました。
どうやらその保護者は、電話の対応に文句を言いたかったわけではなく、私の学級のルールについて何か思うことがあったようでした。
学校の子どもの様子はけっこう気になるようでしたので。(かといって子どもに適切な関わりができていたかと言えば?なところもありましたが)
一通り、話を聞いて、相手の思いを聞きつつ、こちらの思いを伝えると、
「わかった、じゃあ先生に任せる」
と最後は笑顔で対応してくれました。
そこで謎の対立関係は終わりました。
では、このような保護者の具体的な対応策をまとめると
できるだけ面と向かって話をするようにすること。
相手の立場に立ってじっくり話を聞いてあげること。
相手の思いも聞きつつ、話を合わせられるところは合わせておくこと。
(自分の学級経営のスタンスは曲げる必要はなし)
このあたりでしょうか。
でも、やっぱりこんな保護者のことを気にしすぎると、こちらが疲弊してしまいます。
そこで、学校内でもその保護者のことを周知し、おかしなことを言ってきたら、校長からズバッと突っぱねてもらうくらいしてもらいましょう。
(そんなこと言ってくれる校長はなかなかいないと思いますが。)
まぁ大人になればそんな簡単に考え方が変わることもないので、
子どもがトラブルを起こした場合は、保護者に連絡することがないよう、
学校内で納得させて帰らせるよう、根気よく関わっていくことでしょうね。
② 常識が通用しない
常識と言っても、常識のとらえ方やその範囲は人それぞれでしょう。
ここで言う常識とは、学校の中の常識であり、学校側が正しいことだと説いていることが通用しないということです。
例えば、
学級担任が学級のルールをみんなで話し合い、
そのルールをみんなで守っていこうと決めたとします。
しかし、一部の子どもがルール破りをした時に
「僕は学級のルールを守るつもりはない」
と言い張るのです。
担任の指導が入らなくて困って保護者に相談したところ、
保護者からこんな言葉が返ってきました。
「別に嫌ならルールは守らなくていいと、私が言ったんです。」
「納得していないことはしなくていい」
いやいやみんなで話し合って決めたんだけど・・・(-_-;)
子どもたちと決めた学級のルールに親がどうこう口を出すのはどうなの?と思いますが・・・
学校で決めたルールに従うのが嫌なようです。まぁなんと正直な保護者なのでしょう。
しかし、これを言われると担任は困りますよね。
他にも、その保護者はこんなことも言っていました。
「うちの子どもは係の仕事をじゃんけんで決めるというの決め方が納得していない」
「だから、じゃんけんはしてくるなと言っています」
こんな感じで、要は思い通りに行かない可能性があることはしないでいいという考えです。これを家で子どもに教えているんですね。
家でこういう対応をされた子どもは、物事を自己中心的に考えるので、折り合いをつけたり、我慢したりすることができません。
だから、子どもを納得させるのは本当に苦労しました。
学校の常識が通じない保護者の対応策
至ってシンプルです。常識が通じない保護者をどうこうすることはできないので、子どもにのみアプローチをかけていきます。
子どもには、ルール決めやトラブルになりそうな場面を予め想定しておき、予防線を張っておくことです。
「〇〇さん、このルールで行くけどいいな?」
「〇〇さん、うまく行かないことがあるけどできるか?」
などと声をかけておき、うまく行かなかったことを事前に想定させておくのです。
あとはうまくできたら褒めてあげることでしょう。
間違っても、
「この子、自己中で腹立つな!」
などと感情的になることと、そういう態度を出してはいけません。
そうなったら負けです。
子どもさえ納得出来たら、親も黙っていて、学級のことに首を突っ込んでくることはありません。
③ 何でも学校のせいにする
極めつけは、何でも学校のせいにするとんでも保護者です。
いち例を挙げます。
Aさんが運動場で同じクラスのBさんとけんかをしました。怒ったAさんはBさんに石を投げつけました。
担任なら、まずはお互いの話を聞き取りをします。
そして、Aさんには
「石を投げることは絶対にダメだ。」
「相手を怪我させてしまう危険なことだ」
と指導するでしょう。
石が顔にでも当たったら大変で、もう怪我をさせたらAさんが悪くなってしまいますからね。
このようなケースは危険な行為であるため、保護者にも連絡をします。
おそらく大抵の親は、喧嘩はどうであれ、石を投げつけるという危険な行為をしたことを本人に注意するはずです。
何をおいても絶対にやってはいけないことだと。
しかし、何でも学校のせいにしてしまう保護者はそう簡単にはいきません。
「喧嘩にどちらが悪いとかはないでしょう」
「先生は石を投げたことをおっしゃいますが、そもそもそんなところに石を置いている学校に責任があるんじゃないのか。」
「石があるからAがそれを投げてしまっただけなんだ」
などと屁理屈を言ってきます。
こんな感じで、子どもが何かトラブルを起こしても、全て周りの環境のせいにして逃げるわけです。
授業中にグループ活動でAさんが友だちとけんかになったら、Aの保護者は
「グループ活動させたから喧嘩になったんじゃないのか!」
おにごっこをしていて、Aが怒って友だちを蹴ったら、
「先生は何をしていたんだ、なぜすぐに止められなかったのか」
「おにごっこのルールは適正だったのか?」
そんな感じで一切、自分の子の非を認めないんです。
自己防衛本能はすごすぎて呆れてしまいます。
まず、このような保護者には学校側の理屈は通用しません。
何でも学校のせいにする保護者の対応策
さきほどと同様、いくら子どもがトラブルを起こしても、保護者の理解は得られません。
さきほどと同様、事前に子どもに予防線を張って、こうなっても
「怒らずにやるんだよ。」
「鬼になっても落ち着いてできそうか?」
「ドッチで当てられても怒らずにできるか?」
できるだけ大人の目を置いておくことです。
トラブルなくできたら子どもを褒めてあげましょう。
絶対に子ども同士のトラブルで親が出てくるような状況を作らないこと。
Aさんのような保護者が他の保護者と話をして誠意ある対応ができるのかはちょっと疑問です。
「なんだ、あのAの保護者は!!」
と不平不満を学校に持って来られても、学校も困ってしまいます。
そういう状況を作らないよう学校全体で対応策を考えていくことでしょう。
学校として考えるべきこと
まず、学校側はこのような保護者と話をする場面は多くなるでしょう。
そして、学校側の対応の仕方について理解を求めていくしかないです。
かといって、納得してもらえるとも思いませんが、伝え続けないといけません。
立場上、仕方のないことです。
それから、こういう保護者の対応は、堂々とした態度で臨まなければならないので、受け持つ担任は慎重に選ぶべきでしょう。
こんな保護者がいるクラスを若い女の先生なんかが受け持つことになると、間違いなくつぶされてしまうでしょう。
私もたくさん見てきましたね。保護者に潰される先生を。
途中退職している先生が、こんな保護者にやられているケースは数知れずです。
先生はくれぐれも一人で対応しようと思わず、チームで対応することを心がけましょう。
今回は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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