こんにちは、今回は【どうやって復活したらいい?】無職の中高年が増えている問題についてというテーマで書いていきます。ある雑誌を読んで、近年この問題が深刻化しているということで、ぜひみなさんにも知っていてほしいと思い記事にすることにしました。
こんな方におすすめ
- 現在無職でお仕事を探しておられる方
- 将来的に今の仕事を退職しようと考えておられる方
- 就職活動がうまく行かない中高年の方
今回の記事は、総務省統計局の出している労働力調査のデータをもとに作っております。リンクを貼っておりますので興味ある方はご覧ください。
もくじ
中高年離職の現状
こちらのデータによると、現在の中高年の労働市場規模(ここでは30代後半から50前半)は正規社員が1900万人、非正規社員が750万人、失業者が200万人(求職活動をしている失業者、していない失業者を合わせて)くらいだと思われます。
これを読んでいると、失業者の数が非常に多いことに気が付きます。この200万の中に仕事をしたいけどできない方、もう仕事をすることをあきらめてしまった方など、厳しい現実を強いられている方がいます。
近年、無職になる中高年が増えてきていて、働き盛りの無職の中高年の増加は社会的に問題になっています。こういった無職の失業者の中には、引きこもりの方だけでなく、これまで社員として働いていたが途中で辞めてしまい、その後は働きたくても働けなくなってしまっている方も多くいるのです。
仕事を途中で辞めてしまった理由はさまざまですが、主に精神疾患、親の介護、リストラ、パワハラ、病気などが原因です。
特に精神疾患、親の介護によって離職してしまうと再び仕事に就くことは難しくなってしまうという現状があります。中高年まで年齢が上がってしまうと各自治体の支援の手が届きにくくなるようです。さらに雇用する側も中高年の方を選ぶのはリスクであると考えてしまい及び腰になってしまっています。
精神疾患による離職の現状
精神疾患を患い仕事を辞めてしまう方の多くは、長年仕事での激務が続き、心と体のバランスを崩し、病気を患ってしまうというケースが多いようです。そこで、症状がよくなるまで仕事を辞め、自宅療養していきます。すぐに症状がよくなる方もいますが、なかなかよくならない方もいます。そもそも、精神疾患を患うと、元の元気な状態に戻すことは並大抵のことではありません。
もちろん、元気になったらまた社会復帰したいと思っている方が大半ですが、働きだしたらまた症状が再発しないかという不安も常につきまといます。精神疾患はすぐに元気な状態に戻るというものではなく、徐々に時間をかけて治していくものであり、上手に症状と付き合っていく必要があります。なので、再び仕事を続けていくのは非常に勇気のいることです。そんな不安と隣り合わせの中、仕事をしていかなければならないのです。
意を決して再就職の活動を始めても、自宅療養の間、つまりキャリアの空白期間が足を引っ張ります。面接に行ったら、間違いなくこの空白期間のことを聞かれます。正直に精神疾患で自宅療養をしていたなんてことを言ったが最後。採用は難しくなってしまいます。会社もリスクを取りたくないのです。
採用してもらえないということは仕事を選ぶことができず、後は長時間重労働を強いられるブラック企業しか残っていません。そんな企業で働こうものなら、また症状をぶり返してしまうのは目に見えているでしょう。それでも、仕事をしたいという気持ちを持っている方も多いですが、でも現実は仕事がないのです。どうしようもない。
この悪循環が精神疾患を患った方が陥る負のループです。
親の介護による離職の現状
親の介護で仕事を辞めてしまう方も多くいます。いわゆる介護離職です。
少子高齢化の通り、兄弟、姉妹がいない一人っ子の家庭も多いのです。そんな家庭で育った方にとって親の高齢化は大きな不安要素です。
両親ともに健在ならまだしも、父、母どちらかが亡くなってしまっている場合、親一人を放っておくことはできません。年を取るにつれて、病気や認知症の心配も出てきますし、自分の身の回りのことができなくなってくると、目が離せなくなってきます。経済的に余裕があるなら、親を説得して老人ホームなどに入れてあげるのも選択肢の一つです。しかし、必ずしも余裕がある家庭ばかりではないし、親が同意するとも限りません。
だからと言って、高齢になった親を放っておくことはできないので、同居を始め、次第に親の介護に大半の時間を使うようになってきます。そして、
「よし、最後の親孝行だ」と一大決心をして仕事を辞めて、親の介護の始めるのです。こういうケースは非常に多いと思われます。
介護離職の一筋縄ではいかないところは、その介護がいつまで続くのかわからないところです。区切りがついたら、また働きに行こうと思って辞めている方もおられるのですが、その見通しはなかなかつかないもの。介護を始めて1年、2年と経過するうちに、いつになったら働きに行けるんだと心配になってきます。
そうやって年を重ねていくということは、仕事をしていない期間が増えるので(キャリアの断絶)再就職がどんどん難しくなってくるのです。そして、親を看取ったあとに、仕事をしようにも就職先が見つからず、しかたなく無職になってしまっている人が多くいるのです。これはさらに深刻な問題だと言われています。
では、なぜこのようなことになってしまうのか。大きな原因は、非正規社員の増加と未婚者の増加であると言われています。非正規社員としての勤めだと収入も少ないため親と同居することが多いです。収入が少ないと結婚を考えることも難しくなってきます。すると、未婚のまま中高年を迎え、自分の親の介護が必要な時期になってきます。もし、結婚をして配偶者がいれば、介護の負担も軽減されますが、親の介護を一人でみることになると、やはり仕事を続けるのは難しくなります。
このように、非常に厳しい現状の中、生活をしている中高年の方が多くいるということです。しかし、おかしなことです。親のために介護したがために、その人の将来が危ぶまれるようなことになってしまうなんて。
中高年の将来の展望
もし、自分がこんな状況に陥ったらどうでしょう。本当に辛くやり切れない思いになります。今日、親の貯金や年金を頼りに生活している方が50代が増えているという8050問題が話題になって久しいですが、この問題は20代からずっとひきこもりだったという方だけに当てはまるものではありません。
上記のように、これまで正規社員として懸命に働いていたにも関わらず、一度の退職をきっかけに、二度と元の正規社員には戻れないという方も多くいるということです。もはや他人事とは言えない大変な状況です。
今のところ、こうすればよいという明確な出口が見えないように感じます。国の支援もまだまだ足りないですし、社会の中で受け入れていくという風潮もありません。
そんな状況で、投げやりになってあきらめてしまう方、人生どうなってもいいと思ってしまう方、そのような気持ちになるのも理解できます。私もそんな方々と関わってきたことがあり、その辛さは目の当たりにしています。
今のこの現状を国は見て見ぬふりを続けていくのでしょうか。およそ200万人もの人が仕事ができずに困っているのです。これだけの労働力が失われているのは経済的にも大きな打撃です。一刻も早く解決に向けて支援を開始していただきたいです。
今、そのような状況になる方たちは、あきらめず希望を持って前に進んでほしいとは思います。
無職中年にならないための準備
では、これからの時代、精神疾患や親の介護で仕事を辞めざるを得なくなった方、これから辞めようと思っている方はどうしたらいいのでしょうか。きっとこれからも増えていくことでしょう。キャリアの空白期間が長ければ長いほど再就職は難しいのはこれから先も続きそうです。しかたなく仕事を辞めなくてはいけなくなった方が、社会復帰できなくなってしまう社会もおかしいことは間違いないです。しかし、現実は厳しい。
では、どんな準備をしていけばよいでしょうか。
稼ぐ力を身に着ける
それは、自ら稼ぐ力をつけていくことでしょう。今の時代、パソコン1台あれば、どうにかお金を稼ぐことができます。家に長時間いるという利点を使って、稼ぐための学びの時間を捻出していくしかないと思います。精神疾患を患っている方なら、自宅で療養しながらも、調子が良い時に、パソコンで仕事をすることができるかもしれません。
私のおすすめは情報発信です。日々のどんな些細なことでもよいので情報を書いていくのです。
例えば、精神疾患についての情報などを発信していけば、世界のどこかに同じように病気と闘っている方に届き、その人たちの励みになるはずです。そんな風に人の役に立つ情報を伝え続けることができたら、それはお金に変わってきます。ひと月5~10万円でも自宅にいながら稼ぐことができたら、だいぶ心の余裕は出てきます。世の中の人の役にも立ちます。さらに世の中に必要とされているという自信が出てきて、再就職の際もその経験が生きるはずです。
親の介護をしている方も、そういった情報は非常に有益だと思います。親の介護の長期化について、事前に準備しておいた方がよかったと思う所などを体験者が教えてくれるのはとてもありがたいことです。特にこの問題は見えにくいですので、一人でも多くの方に情報を発信してもらうことで問題の解決策も見えてくるのではないでしょうか。そして、間違いなくこれはお金になります。
どちらにしても、成果が出るまで時間はかかりますが、明るい未来を信じて少しずつやっていくことをおすすめします。
教員免許を取る
教員免許を取っておくのは個人的に私がおすすめする方法です。教員になるのがなぜおすすめなのかというと、非正規雇用であっても十分生活していけるからです。1度採用して現場にさえ入ることができれば、かなり安定的に収入を得ることができます。
もちろん、中高年から簡単になれるとは言いませんが、職歴ほぼなしの30代後半から教員になった方もいます。ということはこれまで仕事をしてきた実績があれば中高年からでも採用される可能性は十分あります。
教員免許は自宅にいながら取得することができるのが利点です。免許取得の条件は色々ありますが、大きなハードルは、月に1回程度、単位取得のためのテストを受けなければならないことです。そのテストで合格しなければ単位は取れないので免許も取れません。この条件がクリアできそうなら免許取得を目指してみてもよいかと思います。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
希望を持って
中高年と言えど、まだまだ人生はこれからです。将来的に70代でも仕事をしていく社会になっていくことを考えたら、40代、50代なんてまだまだ若い。私は一生仕事をしていくつもりです。やる気さえあれば年齢なんて関係ないんです。世の中が、中高年は使いづらいなんて勝手に決めつけているだけ。まだまだ新しいことにチャレンジできると思います。
元気が出ないうちはしっかり休んで、また頑張って働こうという気持ちになったらスタートしたらいいです。そのためにも余裕を持って生活していけるだけの収入は得たいもの。自分で稼ぐ力をつけるもよし、教員免許などの資格を持ってその資格を生かすもよしです。
人生をやり直すチャンスはきっと努力していれば見えてくるはずですので、どんなことでも小さな一歩をまず踏み出してみましょう。私ができることはこうやってメッセージを伝えることしかできませんが、何かのお役に立つことができていたら嬉しいです。
それでは、今回はここまで。最後までご覧いただきありがとうございました。