支援教育 教員・教育関係

【特別支援学級】親が勘違いしてしまう特別支援学級の認識 

 

こんにちは、今回は

【特別支援学級】

親が勘違いしてしまう

特別支援学級の認識

というテーマでお話します。

 

動画でもご覧いただけます。

 

 

こんな方におすすめ

  • これから教員をやっていこうと思っている方
  • 初めて支援学級担任を受け持った先生
  • 子どもの支援学級入級を考えている保護者の方

特別支援学級のことを

勘違いしている保護者の方は

たくさんおられるものです。

 

一昔前からのイメージを持ちがちで

マイナスな印象を持っている方が

ほとんどです。

 

まず、

特別支援学級に入級すると、

どうなるのか簡単に説明します。

大きく学校生活が

変わるというほどではありませんが

通常の学級の担任に加えて、

支援学級の担任がついてくれます。

そして、特別支援学級での個別授業、

少人数学習を受けることができます。

 

では、保護者の方たちは

特別支援学級に対して

どういう勘違いがしてしまうのでしょうか。

 

親が勘違いしてしまう特別支援学級の認識

 

1、通常のクラスの学習に追いつくことを目的に入級をさせる

 

通常のクラスでついていけなくなったきたから、

特別支援学級で個別学習を受けて

子どもの苦手な学習を克服してほしい。

そうすれば、そのうち

通常の学級の学習に

追いつけるのではないか。

 

このような親の気持ちはよくわかります。

 

でもこの考えは決して正しいとは言えません。

まず、

特別支援学級は、

通常の学級の学習に追いつくことを

目的に学習を進めていくわけではないのです。

 

あくまでも

その子どもに合った学習をするために

どういう学習方法が定着するのか

どうやったら学習意欲を高められるか

そんなことを目的に支援していて、

そこにこそ時間をかけています。

 

なので、そもそも

支援担任と個別学習をして、

通常の学級の学習に

追いつけ、追い越せ、

なんていう指導はしていないんです。

その子にとって、大事じゃないから。

 

こういう考えが根っこにある親は

通常の学級の学習から遅れることを

すごく気にしてしまいます。

 

いつかまた通常の学級で

という思いが強いからです。

 

でも、

支援学級に入級した子どもを受け持つ

現場の支援担任は、

その子に合った学習を優先しますので、

通常の学級の進度に合わせた指導などはしません。

 

子どもの実態に合っていないのに、

進度を合わせてほしいという要望で

無理な詰め込みをしてしまい、子どもがしんどくなってしまった。

 

せっかく支援学級に入ったのに、

子どもに合った学習ができないと

頭を抱える支援担任も少なくありません。

 

本当に学習だけにスポット当てたいなら、

支援学級ではなく、塾や家庭教師の方が

ニーズをくみ取ってくれそうな気はします。

 

もし、こういう思いで

支援を考えているなら

子どものためにも

しっかり支援担任と話し合って

納得した上で入級させてあげてください。

 

間違っても

通常の学級に追いつくことを目的に

入級することはないように。

【正しい受け答えを知っておこう】支援学級のことを子どもにどう説明する?

「支援学級ってどんなところ?」不意に子どもにこんな質問をされたら、あなたはどう答えますか。おそらく受け答えに困ってしまうでしょう。今回は、支援学級を子どもに説明する際の大切なポイントをお話していきます。

続きを見る

 

2、子どもの世話をしてほしいから入級させる

 

共働きの家庭、母子家庭など

親が忙しい家庭では

子どもがほったらかしに

なってしまうこともよくあります。

 

ほったらかしにしていると

当然子どもは落ち着きがなく、片付けができないなど

自分の身の回りのことが一切できないことも少なくありません。

 

やはり、

忙しいなりにも

家でしっかり子どもと関わり

子どもができないことは見てあげないといけないわけです。

 

しかし、

親自身が頑張らないといけない部分は目をつぶって

子どもが大変だから学校でサポートしてほしいということを

おっしゃってくるわけです。

 

支援学級に入れば

支援担任が生活面での

サポートができますので、

親自身も助かるでしょう。

 

しかし、

そんな親に限って

入級したらもう学校に全てお任せ状態になります。

また、

毎日の連絡帳のやり取りの返事を書かない、

電話連絡の折り返しもしないなど、

少々いい加減な保護者もいるものです。

 

まず、

支援学級は

子どもの世話をし

お預かりをすることだけが目的ではありません。

 

先生と親と協力してこそ

子供にとってより良い

教育ができるのです。

 

学校のことは学校にお任せと言うだけでは

絶対に子どもは育ちませんよね。

支援に入っても

親も先生と一緒に努力し

子どもを見ていくという気持ちがなければ、

うまくいくはずがないんです。

 

ここは十分考えて

子どもの入級を考えてほしいものです。

【もしかして発達障害?】片付けられない子どもにするべき対応策

みなさんは子どもが片付け、整理整頓ができなくて困っていないでしょうか。怒ったり注意しても改善が見られません。そんな子どもには実はある方法が有効なのです。詳しい対処法をお伝えします。

続きを見る

【発達障害】かんしゃくを起こしてしまう子どもの対応について

かんしゃくを起こしてしまう子どもの適切な関わり方をお伝えします。適切な対応の方法を知っていると
子どもはどんどんよくなっていきます。すぐに実践できることばかりです。ぜひご一読ください。

続きを見る

 

3,子どもがいじめられるから入れたくない

 

こういうパターンも実に多いです。

 

子どもが通常の学級での

学習についていけず、

辛い思いをしていることがあります。

 

こんな時は、学校としても

対応策を考え、

発達検査など、色んなプロセスを経て、

特別支援学級で学習をした方がいいのでは?

という結論に至ったとしましょう。

 

特別支援学級に入級する子は大体

このパターンです。

 

これですんなり支援学級に

入級できたらいいのですが、

最後の最後で

保護者が入級を拒むケースがあります。

 

よくよく事情を聴いてみると、

親自身が特別支援学級に対して良いイメージを持っていなくて、

入ったらいじめに合うのでは?と思っているのです。

 

一昔前では

支援学級に入級した子どもを

バカにしたり

からかったりすることが

頻繁にあったようです。

 

そういう時代を知っている保護者からしたら

不安になる気持ちもわからなくはないです。

 

そして、

支援に入っても、いじめられないとは100%言いきれないことも確かです。

入級したことで、心無い言葉をいう子がいることも事実なんですから。

事前指導をしていたとしてもです。

 

それでも、やはり

このケースでは、親の思いは聞きますが、

最後は、子ども自身の気持ちを聞き、子どもに決めさせてあげるべきではないでしょうか。

 

だって

入級して頑張るのは

子ども自身なのですから。

子どもの意志が一番尊重されるべきでしょう。

 

子ども自身が支援学級に対して

何か不安要素があるなら入らない方がいいし、

通常の学習がわからなくて、

自分に合った学習ができる支援学級で学びたい、

そう子どもが思うなら、いれてあげるのが子どものためでしょう。

 

支援担任をしていて

一番辛かったのは

親自身が入級を認めることができず、

子どもが通常のクラスで勉強が分からずに苦しんでいるということ。

この判断は本当に正しいのだろうか。とずっと

引っかかっていましたね。

 

今は、

先生方のいじめへの意識も高く、

大人の目が増えるので、

守ってあげやすくはなります。

 

そして、

支援担任とのやり取りがあるので、

子どもの学校の状況はみえやすくなるとは思います。

やはり

子どもにとっては、

入級する方がいいんじゃないというケースの方が

圧倒的に多かったように思います。

 

入級して、

友だち関係が悪くなったと思うなら、

途中でやめたらいいんですよ。(本来制度上やめれないですけど)

でも、まあそんなケースはまれでしょうね。

きっと子どもは伸び伸び学びますよ。

【いじめは存在するのか!】小学校の支援学級の現状とは

支援学級に入るといじめられるのではないか?支援学級に入ると将来不利益を被るのではないか?そんな悩みを持っている方へ、昨今の支援学級の現状を詳しくお伝えしています。

続きを見る

 

4、特別支援学級は勉強できない子がいくところ

 

こういう事実をストレートに表現してきた

これまでの歴史的な背景があります。

 

一昔前までは

特別支援学級の子は、

特別な子どもたち

というレッテルが張られていました。

 

今でこそ

多様性を認めていこうとする

社会になってきていて

みんな違いがあって当たり前

ということが浸透してきていますが、

まだまだ根強く残っている部分はあります。

 

一定の理解を示す人が

増えてきている一方、

 

特別支援学級に行っている子は

勉強ができない子

という風にとらえている方もおられます。

 

もちろん、

特別支援学級はそういう面もあります。

 

しかし、

だからと言って

表立って言葉にしてはいけないことです。

 

支援担任をしていて

よく耳にした話が

親が子供に対して

「勉強しないのなら特別支援学級に入れるぞ!」

などと脅しのように言っているのです。

 

まず

これを言われた子どもはどう思うでしょう?

「特別支援学級は行っちゃいけないところなんだ。」

「あそこにいく子はバカなんだ。」

「勉強ができないから行くんだ。」

ととらえてしまわないでしょうか。

 

親自身は

本気でそんなことを考えているわけではないでしょうが

そこで学んでいる子のこと、その保護者のことを

考えているでしょうか。

 

もし、

考えているなら

そんな発言はできないはずです。

 

こういう発言をしていると

子どもにもそういう意識を刷り込んでしまい、

変な差別意識を生んでしまいかねません。

 

勉強できないことが事実であったとしても

支援が級で一生懸命学んでいる子がいるという

当たり前のことを考えられる子になってほしいものです。

【教師が差別発言?】大人が子どもに思わず言ってしまう一言

教師が子どもとの何気ない会話の中で、つい言ってしまう一言が差別意識を植え付けてしまうことがあります。一体どんな発言なのか。

続きを見る

 

保護者、先生方へ一言

 

以上4点お話させていただきました。

 

これから支援学級担任をされる方は

こういう事実を知っていてください。

知っているか知らないかは

大きな違いですよ。

 

こういう保護者の思いをくみ取って

受け入れてあげつつ、正しいことを

伝えていくことも

大切な仕事の一つであることを忘れずに。

 

これから支援学級の入級を考えている保護者の方には

どんな目的で入級させたいのか

それは本当に子どものためになることなのか

よくよく考えて判断してくださいね。

【専門性と人間関係調整力が必要】小学校の支援学級担任の仕事とは

支援学級の担任の先生の仕事はどんなものか知っていますか。支援学級の先生は専門性と人間関係調整力が問われるお仕事です。どこよりも詳しく、わかりやすい記事を心がけて書いております。興味のある方はぜひ読んでいってください。

続きを見る

【地域の小学校の支援学級の現状】人材不足が深刻でも改善されない理由

今、地域の小学校の支援学級は深刻な人員不足に陥っています。そんな状況であるにも関わらず、一向に改善されない理由があったのです。

続きを見る

-支援教育, 教員・教育関係
-,

© 2023 元教員の気まぐれブログ