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【小学校の新しい働き方改革を考案】仕事を平均化する学級担任二人制

2019年3月24日

 

こんにちは、今回は、【小学校の新しい働き方改革を考案】仕事を平均化する学級担任二人制というテーマでお話していきます。

 

 

こんな方におすすめ

  • これから小学校の教員をしていこうと思っている方
  • 小学校の学級担任が忙しすぎて、しんどくなってきた先生方
  • 学校運営に興味がある方

 

小学校で忙しい先生は学級担任

 

小学校の教員になると、大抵は、学級担任、支援学級担任、担任外の専門教科担当のどれかを受け持つことになります。教員として赴任した以上はどの仕事もしなければならないですし、自分で選べるなんてことはまれです。でも小学校に勤務する人なら、学級担任をしてみたいという思いを持っている方が多いでしょう。

しかし、小学校で一番忙しくて、大変な仕事は学級担任です教員として働くときに、1番やりがいがあり、面白みを感じるのも学級担任ですが、いろんなところで丁寧な対応を求められるようになった今、年々仕事の負担が増してきています。そんな状況では、勤務時間内に全ての仕事を終わらせることなど到底できないほどの仕事量です。

 

それでは、支援学級担任や担任外の専門教科担当は、どうでしょうか

実は、学級担任ほど、忙しいということはありません

それは、なぜか?

日々の子どもたちのプリント、テストの〇つけがありません。さらに、受け持つ授業数も少ない上、子どものトラブル対応、保護者対応も学級担任ほどありません。学級を受け持っている先生には、子どもについての書類・学校全体に関わる記録の入力など、その他にもさまざまな業務がありますが、支援学級担任、担任外の専門教科担当はありません。これだけでも仕事量は大きく違います。

小学校教員の仕事については、こちらの記事でも紹介していますのでよければご覧になってください。

【初任者必見】小学校教員1年目の仕事術を紹介します

 

ただ、担任外の専門教科担当に限って言えば、これらの先生は、その分、学校内の校務分掌(学校を運営していくうえで必要な仕事)の仕事をたくさん受け持っています。受け持つ授業数が少ないのも、これらの仕事を中心となって進める役割を任されているからです。その分、授業数も軽減されているわけです。休みの先生の授業の埋め合わせをしたりといろいろやることはあります。まぁ学級担任ほどではないですが、そこそこ仕事はあるのです。

 

 

支援学級担任は受け持つ仕事が少ない?

 

では、支援学級担任はどうでしょうか?私がやってみた経験で言わせてもらうと、かなり仕事量は少ないと言わざるを得ません。まず、受け持つ子どもの数が圧倒的に少ないことです。最大多くても8人ですし、自分で授業をする時間も少ないので、授業準備の時間も少なくて済みます。また、支援学級で教える授業内容は子どもの実態に合わせて行えるという特別な制度があるため、こちらの裁量で、授業を効率よく組み立てることができます。

 

学校の教員は、本来、学習指導要領に則って、授業を進めていかなければいけません。教えていない教科、単元などがあると、それこそ大問題になってしまいます。何年か前、学力テストの際、本来教えておくべき内容を学校側が教えていなかったということが発覚して、ニュースに取り上げられていましたよね。しかし、支援在籍の子どもたちには、独自に指導計画を立てて、進めることになっているため、「ここまでの内容を教えなければならない」という縛りがなく、それは、支援学級担任とっても非常にやりやすいです。

授業準備は、ある一定のパターンを作ってしまえば、後は繰り返しそれを教えていけばよいので、授業準備の時間も結構短縮できます。もちろん、いろんな課題を持った子どもたちが来ますので、専門的な知識と技術は必要になりますが。それから、学校内の行事を進めていく時も、支援担任は、支援在籍の子どものサポートに入るため、行事の準備から免除されています。例えば、クラブ活動や委員会活動などでは、学級担任がどれかのクラブや委員会を受け持ちますが、支援担任は、担当の受け持ちがありません。

ただ、先生自身が自分で何かやってみたいなぁと思ってもほとんどできないですし、他の子どもたちとの距離感は感じますし、教員と言う仕事自体のやりがいは少ないのかもしれません。

子どもの支援をするという建前でいろんなところで優遇されている支援担任。明らかに、学級担任との仕事量に違いがあるのは言うまでもありません。

詳しくはこちらの記事で仕事内容を紹介していますので読んでみてください。

【専門性と人間関係調整力が必要】小学校の支援学級担任の仕事とは

 

 

学級担任と支援担任の格差をなくすには?

 

じゃあ一体この仕事量の格差はどうやって是正したらよいでしょうか。例えば、学級担任の仕事が10として、支援担任の仕事が6とします。それをうまくならし、どちらも仕事を8にできないものでしょうか。

「それなら、支援学級の先生が学級担任の先生の仕事を手伝ってあげたらいいんじゃないの?」

「それは、学級担任が支援担任に仕事をうまくお願いしたらいいんじゃないのか。」

などと思われるかもしれませんが、そんな単純なことではないです。

 

支援学級担任からしたら、どの仕事を手伝ったらいいのかという線引きも難しいですし、学級担任からしたら、支援学級の先生に手伝ってもらわなくてもいいと思う方もいらっしゃるのです。お互いに仕事に対する考え方が違ってくるため、単純に手伝えばいいということでうまく機能することはないでしょう。やはり、学校の校内体制のシステムとして仕事を分担し合えるようにする必要があるのではないでしょうか。その点について深堀していきたいと思います。

 

学級担任二人制を考えた

 

そこで、私が考えたのが学級担任二人制というシステムです。例を挙げて詳しく説明します。

 

例えば、4年1組のクラスには、支援学級在籍の子どもが3人(仮にAさん、Bさん、Cさん)いるとします。本来なら、その子たち3人は支援学級担任が受け持つのですが、学級担任二人制では、支援在籍の3人も含めた4年1組の学級経営を学級担任と支援学級担任の2人でしていくというものです。簡単に言えば中学校の教科担任制を足して2で割ったような制度です。

 

どんな風に授業を進めていくか

 

担任が2人になるわけですから、主担(D先生)と副担(E先生)は決めておいた方がよいと思いますが、学級でする仕事はきっちり2等分します。ちょっと簡単な表を月曜日の先生と子どもの動きが分かるように作ってみました。

一番少ない支援で過ごす子がAとして、A<B<Cとします。Cは支援級の授業も多くなります。あくまでも仮定の話として進めています。

 

月曜スケジュール 教科名と担当教員 支援の子どもの動き
朝の時間 D先生 A、Bは4-1

CはE先生と支援室

朝の会 D先生,E先生で分担 3人 4-1
1時間目 国語 D先生 A,B,CはE先生と支援級
2時間目 算数 E先生 B,CはD先生と支援級
3時間目 理科 D先生 3人とも4-1,E先生のサポート
4時間目 社会 E先生 CはD先生と支援級
給食,掃除,昼休み D先生,E先生で分担 3人 4-1
5時間目 体育 D先生 3人 4-1
6時間目 パソコン E先生 B,CはD先生と支援級

 

国語はD先生が担当、算数はE先生が担当などと教科で受け持つ授業を決めます。D先生が4年1組で、国語の授業をしているときは、E先生はこのクラスの支援在籍の子どもの授業を支援教室で受け持ったりするようにします。支援在籍の子なので、支援教室でする学習内容は4年1組のものと変わりますが、E先生が国語の授業を支援教室でします。2人の学級担任が支援在籍の子どもを交代で受け持つようにします。これで、4年1組の支援学級担任はいらないので、なくしてしまいます。学級担任2人が支援学級担任も兼ねてしまうということです。

 

それでも、支援学級(支援教室)はなくしてしまうわけにはいかないんで、1人か2人くらい支援担当の先生を配置しておいてもらいます。月に1、2回は、学級担任2人を交えて連絡調整を行い、行事などの話を進めていってもらいます。

 

学級担任二人制のメリット

 

まず学級経営の業務の軽減でしょう。学級の仕事を2人でできるわけですから、受け持つ授業数が減り、その分自分の授業準備に力を注げます。交代で支援学級で授業もしますが、それでもかなりの軽減になるはずです。朝の時間や給食、掃除などもうまく分担すれば、お互いに時間を確保することだってできるはずです。学級担任は教室にいる子どもを放っておいて長時間職員室に行きづらいので、1人先生がいてくれたら、もう1人は職員室で仕事をしたり、休んだりできます。このような時間の確保は働き方改革としてなにより大事です。二人なので、動きやすくなり、時間も有効に活用できるようになりますし、ノートのチェック・テストの〇つけも二人なら楽勝です。

 

それから、支援在籍の子どもの実態がよくわかるようになることもメリットです。学級担任をしていると、支援在籍の学習の実態を把握できないことも多々あるのですが、この制度を使えば、支援教室で子どもの授業を受け持つことができるので、学習の習熟度を正確につかむことができます。子どもの正確な実態をつかんでおくと、いざ4年1組で授業をするときには、支援在籍の子どもに合わせた配慮ができるようになります。というより、自然に気づけるようになるんです。だって実態をしっかりつかめていますからね。

支援学級の子どもをみることは支援教育の基本を学ぶ上でも重要なことです。長い期間教員をやっていくなら、支援学級担任は必ず経験していたらいいと言われています。支援を要する子どもの視点を持っておくことが学級経営でも必要だからです。それを手軽に経験できるのもこの制度のよいところです。

 

それから、もう1つは学級崩壊のリスクを減らせるということです。1人の先生が学級の子どもたちとうまくいかなくても、もう1人の先生がうまく子どもたちとつながっていければ、なんとかクラスを崩さずに持ちこたえられるはずです。うまくいかなかった先生は、うまくいっている先生から、学級経営で大切なポイントを自分と比較しながら学ぶことでがき、しっかり振り返ることにもつながるはずです。それこそ、場合によっては、しっかり反省し次に生かすか考える機会にしてもらうのです。

 

 

学級担任二人制のデメリット

 

なんといっても、学級担任2人が足並みをそろえてうまくやっていけるかどうかでしょう。2人の仲が悪くなってしまうと、学級経営にも響いてきてしまい、子どもたちにもよい影響を与えません。また、子どもたちが「A先生はいいけど、B先生はいやだなどと言って先生を比べてしまうことです。これは必ず起こりえる問題でしょう。先生によっては厳しい人もいれば、優しい人もいますし、指導がうまい先生もいれば、うまくない先生もいます。ここは学級担任2人が力を合わせて、やっていかなければならないところです。

基本は、主担の先生を立てて、副担は一歩下がって対応するのがうまくいくコツでしょう副担に適任なのは、主担より年上の先生でしょう。前に出すぎず、そっと主担を支えながらも、細かなアドバイスができる人がよいでしょう。主担を育てていくという視点でペアを作っていくのが望ましいです。退職されて再任用で来てくれているベテランの先生なんかがよいかもしれません。

 

支援級に在籍している子どもに関することも2人で振り分けてしないといけません。つまり、支援学級担任がしていた仕事をこれからは2人でしていくということです。どんな仕事があるかというと、その子に合った個別の指導計画書を作成、授業で使う教材を用意、毎日の連絡ノートのやり取り、支援学級の行事に関することの準備などなど。

 

もしかしたら、2人で振り分けるのが難しい仕事もあるかもしれませんね。支援学級の仕事の中心は副担が担うのがよいでしょう。そういう細かなところはしっかり話し合って決めるようにするのです。

 

 

新しい働き方改革として導入を!

 

学級担任2人制は、どうでしたか。なんか2人で1つの学級を作っていくという発想は、今までなかったものなので、新鮮だったのではないでしょうか。もうこれからは、学級担任の学級王国を作る時代ではありません。先生がやりやすいように学級を進めていくのではなくて、子どもたちが主体となって進めていくことを基本に考えていくべきなのです。そう考えたなら、担任が1人より、2人であった方が絶対子どもたちにとってもよいことです。子どもにとっても、先生との相性があるはずですので、1人の先生と合わなくても、もう1人の先生と合うことだってあり、それが救いになることもあるはずです。せび、一度取り入れてくれる学校があったらいいのになぁと思っております。

よければこちらの記事も読んでみてください。

【専門性と人間関係調整力が必要】小学校の支援学級担任の仕事とは

【いじめは存在するのか!】小学校の支援学級の現状とは

 

もし、学級担任二人制に賛同いただける方がいるのなら、コメントなどをいただけたら嬉しいです。

 

今回はここまでにします。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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