こんにちは、今回は【準備・片付けが最速に】静かな給食時間の過ごし方 小学校編というテーマで記事を書いていきます。
こんな方におすすめ
- これから教員をやっていこうと思っている方
- 給食時間が騒がしくなって困っている先生方
- 給食時間を効率よく進めたいと思っている先生方
さて、子どもたちにとって楽しみな給食ですが、小学校の先生方にとっては、食の大切さを教える学習の一環です。先生によっては、「給食時間くらいは一息つきたいなぁ」と考える方もおられるかもしれません。しかし、給食時間も、ただ給食を食べさせればいいというわけではなく、きっちりとした指導が必要になります。
私たち教員が給食時間のルールやマナーを丁寧に伝えていかないと、たちまち、子どもたちが遊びだし、ざわざわと騒がしい時間になってしまいます。友だち同士のトラブルが起こったり、給食当番をしない子が出てきたり、遊び出して給食がこぼしたりと、食事の大切さを教えるどころの話ではなくなってしまいます。
こうならないためにも、どのようにすれば、準備・片付けをテキパキと行い、静かな落ち着いた時間にすることができるのでしょうか。
もくじ
静かな給食時間を過ごすためにするべきこと
小学校で、給食の準備・片付けが最速に終わり、静かな給食時間を過ごせるようになるためには、子どもに急いで準備させたり、配膳させたりすることではありません。最速で終わらせるために大事なことは、給食の準備・片付けのやり方、ルールが学級で浸透しているかどうかにかかっているのです。
ルール作り・ていねいな説明
どの時間にも大切なことですが、給食の時間もきっちりとしたルールを作り、準備から片づけまでをスムーズに進めるよう計画しておかなければなりません。指導の時間であるという先生方の意識は、特に新学期初めには必要で、休み時間気分になって気を抜いて指導を怠るとあとあと先生方が苦労することになってしまいます。そうならないためのルール作りが必須です。
おそらくは、どの先生方も給食の当番制を行っていて、子どもたちに給食の仕事を順番にさせているでしょう。若い先生にありがちなことは、
「当番で仕事の割り振りさえしたら、あとは子どもたちに任せて大丈夫だろう」
「これまでも給食当番をしてきているので、子どもたちでできるだろう」と思って、当番だけ決めてすぐに給食準備をさせてしまうことです。
1年生以外はこれまでに経験していますが、当番の仕事に不備があったり、一部の子どもだけに仕事が偏ったりしていることがあるので、仕事の内容を事前に全体で確認する必要があります。
「その当番の仕事が終わったら何をする?」まで考えさせておいてちょうどよいと思います。
給食の当番を決めたら、給食の食缶を運ぶ仕事、お皿に給食を盛っていく仕事、給食を運ぶ仕事、片付けの仕事の4つに分けて説明しておきましょう。
食缶を運ぶ仕事・片付けの仕事は、どの食缶を誰とどこに運ぶのかを確認します。給食を運ぶ仕事は、おぼんがあるなら、おぼんを持たせて、順に運ばせていきます。おぼんがない場合は、それぞれのおかずごとに運ばせたらいいでしょう。
お皿に給食を盛って仕事の人は、一番難しいので丁寧に説明します。
「おかず担当の人はお皿におかずを入れて」「ご飯の人はお椀に入れてね」だけでは不十分で、具体的にどのくらいの量を入れればいいかわかりません。大人なら、子どもの人数に対して、一人分がどのくらいになるかパッと見て大体わかると思いますが、子どもはそうはいきません。
あとで困ることがないよう、給食の主食となるおかずをお皿に入れさせるときは、どのくらいの量を入れたらいいかをわかりやすく説明します。
「おたまのここまで入れて」「この具は1つ以上は入れて」などと声をかけておくとわかりやすいです。特に汁ものは、1回1回入れるおかずの具に偏りが出やすく、子どもから不満の声が出てきやすいので、最低限の具は入れてあげるよう説明しておくといいです。
少々面倒ではありますが、これも給食指導、食育の一環です。どの子どもにもわかりやすくするためには、そこまで説明をしてあげてちょうどよいのです。
給食を均等に分ける方法
例えば、40人の子どもたちに「ご飯」をできるだけ均等に分けるためにどう子どもたちに説明したらよいでしょうか。ご飯をお椀に入れさせる前に、ライスコンテナ(入っている入れ物)の40人分のご飯を大きく4等させます。全体を4等分したわけですから、1つ分は10人分ということになります。10人分が難しかったら、10人分をさらに半分に分け、5人分のご飯を作ります。
子どもにも、「このご飯で5人分配ってください」と見せることで分けやすくなります。もちろん、分ける時の目安ですので、きっちりしなければならないと思いすぎることはないです。この方法でやれば大抵のおかずは均等に分けることができます。
唯一、汁物だけは均等分けができません。汁物は、そのメニューによって量が違ったり、具の量が一定ではなかったりするので量を調整が非常に難しい給食です。最初に入れる量が多すぎて、最後の方はもう汁も具がないこともよくあります。やはり汁物は、最初は先生が見本を見せてからさせるようにした方がいいでしょう。私たちが食缶をチェックし、たっぷり入っていそうなら子どもに任せたらいいですが、少ない場合は声をかけるか見本を1ついれてあげるようにするのが良いでしょう。
どれだけ上手に分けていても、ご飯やおかずが残ってしまうことがあります。残ってしまうというのは、後で増やしてあげられるのでよいですが、食缶が途中でなくなってしまったというのが一番困ります。多く入っている子のお椀を探し、そこから少しずつもらっていかなければならなくなり、非常に時間をロスします。なので、始めから余らせるくらいの気持ちで入れさせるようにしていくのがよいでしょう。
おかわりルールも明確に
ご飯やおかずが残っている時は、おかわりをさせてあげましょう。ですが、おかわりについてもルールをきっちり決めておかないと不平不満・喧嘩の原因になってしまいます。時々、見かけるルールの1つに「全部完食した人からおかわりできる」というルールがあります。給食を早く食べさせたいという担任の思惑があるのかもしれませんが、平等性にかけるルールであるといえるでしょう。子ども一人一人、体の大きさも違いますし、食べる量や早さも個人差があるものです。それを早く食べた人からおかわりにしてしまうと、毎回おかわりできる人が決まってしまいます。
時間がない時などは仕方がないかもしれませんが、毎日だと声に出して文句を言う子は少ないかもしれませんが、心の中で「私もおかわりしたいのに・・・」という不満を持っている子が絶対います。そんな不公平感を持たせないためにも、きっちりルールを作りましょう。
減らしたい人を先に
「いただきます」をした後に、まずは給食を減らしたい人を募ります。量が多くて食べれないと思う子、苦手なおかずがある子は、自由に減らしに来させます。子ども任せにすると、嫌いなものをほとんど減らしてしまう子もいますので、こちらでチェックはある程度必要ですが、あまり厳しいルールにしすぎず、苦手なものは減らさせてあげ、少しでも食べるよう声かけをしてあげたらいいでしょう。
嫌いなものを食べることも大事ですが、あまり無理に食べさせすぎても、子どもがしんどくなってしまう場合もあります。嫌いな給食を毎日食べなくてはいけないと思って、それが原因で学校に行きたくないと言い出す子もいたりします。各家庭の考え方もそれぞれで「好き嫌いはあって当たり前だ、我が家では好きなものだけ食べさせている」「おなかいっぱいは食べさせないでほしい」などとという家庭もあります。このように、食に対する考え方も多様化しています。
このようなことを踏まえると、やはり無理に嫌いなものも最後まで食べさせようとして後で残されてしまうより、最初から嫌いなものを減らし、自分で「これだけの量は食べる」と決めさせる方が自主性が育まれるはずです。私はそのような考え方でよいと思います。もちろん、嫌いなものでも少しずつ食べれるように後押しだけはしてあげましょう。
増やしたい人を募る
給食を減らしたい子がいなくなれば、次は増やしたい子を募ります。給食を残さず全部食べられる子にのみ増やしてもよいことにします。たくさんの残っている時は、関係なく増やしてあげてもいいと思います。ここは先生次第です。
増やしたい子を募った時、何人くらい増やしたいと思っている子がいるのかを確認し、その人数に応じて給食を増やしてあげます。たくさん増やしたい子がいれば一人分はあまり増やしてあげられませんが、増やしたい子が少なかったら、余っている分をたくさん入れてあげられます。
先生が一人ひとり増やしてあげること方が不公平感はなくなります。その後、まだおかわり分が残っていたら、次は全部食べた子から増やせるようにしたらいいです。
ただし、分けることができない1個ものの「からあげ」や「デザート」などは分けることができないので、おかわりがほしい子だけ集めます。こんな時は、じゃんけんで決めます。これが一番公平です。
残り時間を意識させよう
給食時間は、友だち同士で楽しくお話しながら食べるとよりおいしいものです。しかし、あまりにおしゃべりに夢中になってしまうと時間内に食べ終われない子が出てきます。そんな子どもが出ないようにと、給食時間のおしゃべりを禁止するというルールの学級も見かけます。それはあまりにも厳しいルールのような気がしますので、ある程度は話す時間は作ってあげる方がいいです。
大事なことは、子どもに給食の残り時間を意識させておくことです。先生が残り時間に声をかけたりすることもあるかと思いますが、いつもいつもは大変です。そこで、おすすめの方法が2つあります。
1つ目は、子どもに時間を管理する役割を与え、「あと、10分なのでお話をやめて食べましょう。」などと声かけをさせるのです。子どもがその役割を忘れることもありますけど。(笑)
2つ目は、タイマーを使うことです。1回目のタイマーが鳴ると、残り時間が10分でお話をやめて食べる合図。2回目のタイマーが鳴ると、残り時間が5分で片づけを始める合図。3回目のタイマーが鳴ると、ごちそうさまをする合図。これをセットしておくと、時間を意識して給食時間を過ごせます。もちろん、少しずつタイマーなしでもできるようになっていかなければなりません。高学年では、タイマーなしでも大体できるようになっていてほしいところです。
食器を片付ける時のワンポイント
お皿やお椀を片付けさせる時のワンポイントをお話します。食べ終わると、子どもたち一人ひとりは大きな給食かごに自分の使ったお皿やお椀を順番に片付けていく流れになると思います。食べた子から順に片付けるルールであったり、全体で一斉にごちそうさまをしてから順次片付けをさせたりと、ここも各クラスでルールが分かれるところです。
私が一番おすすめする方法は、食缶におかわり分のおかずが残っていない状態で片付けを始めるのがよいというものです。食缶が空だと残ったお汁や骨も戻しやすいので落としたりすることも減ります。逆に、おかずがまだ残っている状態で片付けをさせてしまうと、お皿やお椀に残ったお汁をちゃんと切らずに給食かごに入れてしまうことが多くなるからです。こうなると、配膳台回りはおかずが落ちていたり、お汁などがこぼれたりして汚れてしまい、片付けに時間がかかってしまうことになります。
ぜひ、片付けの際は、片付け方のルールも適宜話をしておくようにしましょう。
静かな給食時間を目指して実践してみよう
いかがでしたか。この方法を実践していくと給食の準備から片づけまでがよりスムーズに進むようになると思います。子どもの動きを見ていると、徐々にルーズになってきてしまうところもあるので、時々先生が声かけをしつつ、少しずつ自分たちだけでできるようにしていきたいものです。そのためにも始めのルール作り・やり方を教えることは大切で、正しい給食時間の過ごし方を教えていかなければいけません。パターンがわかってくると、子どもたちもそれに合わせて動けるようになってきます。
まずは1つでもできることを実践してみてください。きっと給食時間が短縮できるようになるはずです。
今回はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。