こんにちは、今回は【小学校のあるある①】放課後の教室は開けっ放しでもよい?というテーマで書いていきます。
こんな方におすすめ
- 小学校のあるあるを知りたい方
- これから小学校教員になろうと思っている方
- 小学校の安全対策について知りたい方
小学校のあるあるシリーズ第1弾です。
小学校の放課後の教室の施錠について
全国の都道府県の小学校数は年々減少傾向にある中でも、まだ2万校ほどあります。北は北海道、南は沖縄まで広く配置されており、それぞれの地域の実情に合わせた学校のルールが適応されています。
小学校の立地条件、周りの環境も違うので、ルールが違うことは当然です。
そんなたくさんの小学校の中で、放課後の教室の施錠をしない学校があります。それがなんだという話なんですが、これは小学校のあるあるなんです。
これから教員として勤務する方にも、ぜひ一度考えてみていただきたいと思い、記事にしてみました。
今回は、私がこれまでに勤めてきた経験をもとに、教室を施錠しない理由と施錠するメリット、デメリットを解説していきます。
もちろん、これから書いていることが全ての学校に当てはまることではありません。その点だけご了承ください。
なぜ放課後に教室を施錠しないのか
子どもたちが下校し、その後、教員も帰宅する際、学校内の校舎の施錠をしていきます。校舎の中にはたくさんの教室があり、教室ごとにドアがあり、鍵を閉めることができるのですが、各教室は開けっ放しで施錠をしない学校があります。
特に、小規模な学校や田舎の学校などに多いことだと思います。
では、なぜ学校は教室を施錠をしないのでしょうか。
「そんなこと簡単にできるんじゃない?」
と思われるかもしれません。
実際そうなっている学校もありますが、すぐにそうなる学校ばかりではありません。
理由はいたって簡単で、昔の名残なんです。
開けっ放しでこれまで大きな問題がなかったのです。だから、わざわざ先生方は閉めようという声をあげないのです。
正直言ってしまうと、わざわざ教室を閉めるのは面倒だというものあると思います。閉めないことで助かる部分もあるのです。詳しくはメリットのところで書いています。
しかし、正義感の強い先生やきっちりした先生が生活指導担当になると、安全面の観点から放っておけなくなり、
「これから教室の施錠しましょう!」
と言い出すことがあります。それを言われると、他の先生方はこれといった反対意見を言うことができません。どう考えても反対をする決め手がありませんからね。
その後、施錠することになったという学校もあります。
確かに、施錠をするべきだという意見を持つ先生の考えもわかるのですが、過去に施錠をしてこなかったということは、それだけ学校が平和だったという証でもあります。ちょっと荒れた学校だったりすると、いたずらで教室のものが隠されたり、取られたりする事件があるものです。
放課後に残っていた子が数名いた日の翌日、〇〇さんの文房具がなくなっていた。
とか
朝一番で登校した子が開けっ放しの教室に入り、友だちの机の中を触っていた
などなど。
そういう事件が頻発すると、おのずと教室の施錠の徹底という流れになります。しかし、施錠していないということは、そんなことが頻繁に起こらず、日々の先生方の指導のおかげもあって、教室開けっ放しでやってこれたということです。それはすごいことですよね。なので、そういう学校の実態に合わせる形で教室開けっ放しを続けているところがあるということでしょう。
ちなみに、教室の施錠するドアがない学校もあります。教室のドアの部分を全て取っ払って廊下と教室の境目がなくし、よりオープンな教室を目指した作りの学校です。こういう学校もどちらかというと開けっ放し派になるのかもしれません。
施錠するメリットは?
やはり防犯上の問題で教室の施錠をしているのでしょう。
十数年前の大阪府池田市の大阪教育大学附属池田小学校の殺傷事件を契機に、大人の防犯意識、子どもの安全対策への意識が高まったことは間違いないでしょう。今回は放課後の教室なので、子どもはいない前提ですが、不審者が学校にくる可能性があるということでは放課後も同じと考えられるでしょう。こういったことの流れで、教室の施錠を徹底している学校もあるでしょう。
放課後であっても、校舎の中に不審者が侵入してしまえば、教室の出入りが自由にでき、人目を盗んで教室の中のものを取り放題になるということです。教室に貴重なものは置いていないにしても、今は高価な電子機器を備え付けている教室も珍しくありません。電子黒板やプロジェクター、アイパッドなどは高価なものなので、取られたりしたら大変です。アイパッドなら、当然子どものデータや写真もあるはずなので、子どもの個人情報が流出することになり、これが一番危ないです。
そもそも教室にそんなものは置いていないという学校もありますが、何かしら個人を特定するようなものは教室はあるでしょう。
ちなみに、中学校では教室の施錠は徹底されていると思います。特に、女子生徒の体操服、下着がなくなったりしたら大問題ですからね。また小学生より、貴重なものを持ち歩いているので、開けっ放しはあり得ないでしょう。施錠をすることでこのようなリスクからは守ることができますね。
きっちりと教室を施錠することで、盗難の事件を未然に防ぐことにはなるかもしれません。つい出来心で、ものを取ってしまう子もいないとは言えません。そんな環境を作らないことも大事な観点でしょう。
施錠するデメリットは?
実は、教室を施錠してしまうと不便なことが多いのです。
例えば、放課後、子どもが保護者と一緒に忘れ物を取りに来ることがよくあるのですが、鍵を閉めているとわざわざ担任が対応して鍵を開けてあげないといけません。なぜなら、
保護者と子どもが
「すいません、忘れ物を取りに来たんですが、教室に取りに行っていいでしょうか。」
と言って職員室に来たら、対応した先生は担任を呼びますよね?
職員室に担任がいるのに他の先生がそのあとも対応するのは変ですよね。じゃあ職員室にいる担任は保護者と顔を合わすわけだから、普通は一緒に教室に行きます。そこで世間話の一つはできるのは良いかもしれませんが、忘れ物を取りに来るたびに担任が対応するのは、ちょっと大変ですよね。
じゃあ鍵だけ渡して教室に取りに行ってもらったらいい話ですが、なんかそれも冷たい対応。さすがに担任としても、鍵を渡して勝手にどうぞとは言いにくいですよね。
でも、教室が開けっ放しなら、職員室で対応した先生がわざわざ担任を呼ばずに「教室へ入って探してください」と言って勝手に取りに行ってもらえるんです。担当した先生はその後、担任にその事実を伝えればいいのです。担任は気になるなら後を追って教室へ行けばいいのですから。
まだまだ細かなことを言い出せばキリがないですが、先生目線から言うと、やっぱり便利なんです。放課後、会議で急いで職員室に戻る際も、子どもを追い出さないといけない、鍵を閉め忘れてわざわざ戻らないといけない。細かないことですが、教室を開けてておきたいと思うんです。
いずれ施錠必須となるが・・・
いずれにしても、ゆくゆくは教室の施錠は必須となってくるでしょう。これはもう防犯上の観点から施錠しない理由がない以上、どうしようもありません。早いか遅いかだけの問題でしょう。
私自身、どちらの学校も経験してきましたが、本音は教室を開けておきたいですね。便利というのもあるし、学校はオープンな方がやっぱりいい。変に管理してしまいすぎるのはあまりよろしくないかなと思うんですね。
世の中がそんな流れになっているので、しかたないですが、施錠しなくてもよい学校を守っていくのが一番良いような気がします。緩いルールではあるけど、多めに見てほしいなと勝手に思っています。
あなたの学校はどっちでしょうか。一度自分自身でも考えてみてくださいね。
今回は以上です。
ありがとうございました。