こんにちは、今回は、
【この情報・・絶対マル秘です】
小学校のクラス替えの実態
というテーマでお話していきます。
クラス分けのアニメーション動画も作っておりますので、よければこちらもご覧ください。
こんな方におすすめ
- これから教員をしていこうと思っている方
- 小学校の子どもをお持ちのお父さん、お母さん
- 教育に関心がある方


もくじ
小学校のクラス分けは一大イベント!
4月から新学期を迎える時、小学校に通う子どもや保護者にとって、一番楽しみなイベントはクラス分けです。
今まで過ごしてきた学級の子どもたちがシャッフルされ、新しいクラスに振り分けられていきます。
そして、新しいクラスで1年間同じ教室で過ごすことになります。
「どのお友だちと同じクラスになるのかな?」
「〇〇さんと同じクラスだったら嬉しいな。」
などと、どの子にとっても大きな関心事の一つです。
しかし、クラス分けは私たち教員にとっては、毎年、気が重くなるくらい重要な仕事の一つです。
もちろん、適当にシャッフルしてクラスを分けているわけではなく、何度も話し合いを重ねた結果、作られたクラスなのです。
子どもたちの情報をたくさんの項目に分けて分類し、クラスとしてうまく機能するように均等に分けていきます。
もちろん、うまく分けたつもりでも、
「このクラスは大丈夫かな?」
「少し学級運営が難しくなるかもしれない。」
なんて思うクラスも出てきてしまいます。
それでは、私たち教員が毎年行っているクラス分けの実態について詳しく見ていきましょう。
学年のクラスが3クラスあったと仮定して話を進めていきます。
教員がクラス分けをする際に考慮するべき点
年度末の3月に、クラス分けを進めていく時に、私たち教員は、次のような項目を確認しながら、現在のクラスの人数を3分割していきます。
重要項目を挙げると、
「友だち関係」
「学力」
「リーダー性」
「要配慮児童」
「要配慮保護者」
などです。
大体このような項目で分けていきます。
友だち関係でチェックするところは、
よくトラブルがあり、それが継続している子がいないかどうか。そんな子どもがいるとクラスは離すようにします。
子どもとは言え、相性がありますので、お互いのために離してあげるのです。
それから、いつも同じグループで行動している子どもたちも分けます。
できるだけたくさんの友だちと関わりあえるように、関係をリセットしてあげます。
その方が楽になれるところもあり、新しい学びにもなります。
もちろん、その友だちがいることで安心感が持てていたり、学校に登校できているという特別なケースの子どもがいる場合は、同じクラスにしてあげます。
基本的には、主要な子ども(影響力のある子ども)を3等分するというのは最もセオリーです。
学力の観点においては、
どのクラスも均等になるように分けます。学力の高い子どもや課題の多い子どもが1つのクラスに偏ってしまわないようにします。
クラスに偏りが出てしまうと、先生の目が行き届かなくなってしまうし、友だち同士で助け合う、教えあう場面もうばってしまうことになります。
協力し合うような場面を多く作ることは、学級運営においても大事なことですので、相性も考慮に入れつつうまくミックスさせてあげるのがいいです。
リーダー性については、
どのクラスにもクラスを引っ張っていけそうな子が入るのが望ましいです。
もちろん、学級の中で伸ばしてあげることもできますが、前に出るのが苦手な子や、好きではない子もいます。
積極的にクラスの中で話をしたり、まとめたりすることが好きな子は、クラスを分けてあげて、それぞれのクラスで活躍する機会を持たせてあげるようにするのです。
要配慮児童はクラス分けにおいて最重要ポイントです。主な観点は、
生活指導面で配慮が必要な子ども、
支援学級に在籍している子ども、
外国籍の子ども、
性的マイノリティーの子ども、
不登校傾向の子ども、
被虐待の疑いのある子ども
などさまざまです。
対応自体が難しい子どももたくさんいますので、そのような子どもが一つのクラスに偏らないようにします。
〇〇さんがいると、〇〇さんに良い影響を与えないというケースもあります。
トラブルになりやすい子どもがいるクラスには、誰とでも分け隔てなく接することができる子を集めてクラス編成をしてあげます。
また、一人ぼっちになりやすい子には、穏やかな子や優しい子を一緒のクラスにしてあげます。
要配慮保護者という観点もあります。あまりオープンにはしたくないですが、これは内緒にしていてくださいw
要配慮の保護者も、ていねいな対応が求めらえるため分散するようにいます。
保護者の中では、
学校不信のある方、
子どものことで不安の強い方、
精神的に不安定な方、
などいろんな方がいるものです。
このような方は、学校での出来事を事細かく報告してほしいというニーズを持っていることが多いものです。
子ども同士のトラブルに過敏な保護者も多く、ていねいに報告をしておかないと、そのあとの対応が大変になります。
学校に不平不満をぶつけるために、
毎日長時間も電話をしてきたり、
学校が対応しきれないと教育委員会に行ったり
と、何かと振り回されることになります。
つまり、それだけていねいな対応が求められるわけですから、要配慮の保護者も満遍なく分ける必要があるのです。。
このように、たくさんの項目を意識してクラス分けは行われています。
最終的にクラスを決定しても、1年間落ち着いたクラスになるのかどうかはわからないものです。
先生方も
「次年度も楽しい学級になりますように」
という思いでクラス分けをしているのです。




保護者がクラス分けの希望を言ってくることがある
学年最後の学級懇談会で、保護者から
「〇〇さんとクラスを離してください」
「〇〇さんと一緒のクラスにしてください」
などとおっしゃっていく方がいます。
自分の子どもが新しいクラスでうまくやっていけるのか心配になる親の気持ちもわからなくはないです。
しかし、保護者の意向を全て考慮してクラス分けをすることはできません。
保護者にとっては、我が子のことだけを考えておっしゃるわけですが、学校の先生方は、学年全体のことを考えてクラス分けをしているのです。
先生の立場でお話すると、
先生に希望を伝えたから、その通りのクラス編成をなると保護者に思われるのは辛いところ。
希望通りにならないこともあるということは理解していただきたいですね。
何より、学校の様子を一番把握しているのは学級担任です。
学級担任が、
「〇〇さんと〇〇さんは離れた方がいい」
「一緒のクラスでも大丈夫だろう」
という判断をしているなら、おそらくそれが最善のクラス分けになっているはずです。
保護者の気持ち
希望を言えば、迷惑がかかると分かっているけど知っていてほしい
学校の事情は分かっているが、それでも
「子どもがしんどくなっていて心配なんです」
「また、あの子と一緒のクラスになるのは、気が気じゃないんです。」
と言っていく保護者の方もいます。
もし、そこまで気になるのなら、その思いだけは先生に言っておいてください。
もしかしたら、クラス分けに大きく影響しない場合に限り、考慮されることがあるかもしれません。
私も過去に同じようなことがあり、懇談会の中でOKの返事は言いませんでしたが、悩んでいる保護者や子どもがいるという話だったので考慮してあげました。
大抵、前向きに検討してくれるはずなので、どうしても気になる方は、先生に伝えておいても損はないです。






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どのクラスを受け持つのか駆け引きがある
注意ポイント
持ち上がりの先生は有利すぎる!
3月までにクラス分けを済ませ、4月になると、いよいよ担任が決まっていきます。
担当する学年は4月の最初に発表され、そこから学年のメンバーで集まり、何組を受け持つかを決めていくことになります。
しかし、
ここで、ある問題が起こります。
実は均等に分けたクラスであっても、どうしても難しいクラスはできてしまっています。
本音では、
「難しいクラスは遠慮したい」
「たくさんの課題を持っている子どもがいるクラスは持ちたくない」
と思っている先生もいるものです。
先生方も、何も知らない新しいクラスを受け持つのは覚悟がいることで、課題のある子が多いクラスを受け持つのは勇気のいることです。
そうなると、誰が難しいクラスを受け持つのかという話になるわけですが、その話し合いは、あまりフェアではないのです。
新学年を受け持つメンバーの中に、昨年度から引き続き、担任になる先生がいます。
いわゆる持ち上がりの先生です。
大抵、どこの学年も、昨年度に引き続き、持ち上がりの先生を1名は残しておくのです。
そして、新しくその学年の担任になる先生とミックスして学年は編成されています。
ということは、持ち上がりの先生だけがその学年の情報をたくさん持っていることになります。
一方で、新しくその学年の担任の先生は、その学年の子どもの実態を詳しく知りません。
ここで、持ち上がりの先生が情報強者になります。すると、その中の難しいクラスを何かと理由をつけて、避けることができてしまうわけです。(これ、本当にあった話ですw)
本当は、子どもの実態を知っている持ち上がりの先生にこそ難しいクラスを持ってもらうべきなんですが。
こういう見えない駆け引きがクラス分けでは行われているものです。
注意ポイント
自分に有利なクラス編成をする先生
さらにひどい話があります。
ある先生は、来年度は持ち上がりの担任ができるだろうと予想して、クラス替えの時に、自分が受け持ちやすい子どもばかりを集めて、クラス分けをしていたのです。
最終的に自分がそのクラスを持つためにです。
もはや言葉がありませんね・・・
こういった情報格差はどうしようもありません。
4月の段階でその他の先生方が、
しんどいクラスを持ってくれているのか、
その先生が楽なクラスを持っているのか、
ということは正確に知るすべはありません。
昨年度中のクラス分けをしていた時期に、その他の先生から情報を得ておくことはできますが、クラス分けの子どもの分け方にまで口を挟みにくいもの。
そもそも、そんな裏工作がされているなんて、誰も思いませんからね。
まぁでも、ここまできたら、しのごの言わずに、持ち上がりの先生を信頼して言われるがまま、クラスを受け持つしかないでしょう。
腹をくくって全力で頑張るのみです。
もちろん、真面目な先生にとっては
「持ち上がった自分は、どのクラスを受け持つべきなのか」
と悩まれることもあります。
「昨年度の情報を共有して学年をまとめてね。」
というプレッシャーがあるわけですから、失敗はできません。
経験が浅い先生には、落ち着いた子どもが多いクラスを持たせてあげる。
大きな仕事を受け持つ先生や出張の多い先生のことも考える。
そんなことも含めて、みんなで協力し合っていくのです。





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クラス分けで全てが決まるわけではない
このようにクラス分けと言っても、
色んな事情を考慮して分けられており、学校内では様々な駆け引きがあって、担任の先生も決まっていくことがお分かりいただけたと思います。
でも、だからと言って、
クラス分けで全てが決まるわけではありません。
個人的にはそんな重要だとは思っていません。
先生方・子どもたちの頑張りで、いくらでもクラスは良くなりますし、大変な状況になったとしても学ぶことはたくさんあります。
「このクラスを良いクラスにしていくんだ」
という強い気持ちがある先生は、クラス分けなど一切気にしません。絶対にうまく学級運営ができる自信があり、そのための努力も惜しまないからです。
「何があっても、子どもにとっては良い経験」
という風に捉えてくれる保護者は頼もしいものです。
このような保護者は、友だちと責めたり、先生を責めたりすることは決してありません。
常にドンと構えていてくれています。本当に有り難いことです。
どんなクラスになっても、努力を忘れずに、前向きに全力で頑張っていこうとする気持ちが大事なのです。
先生方は努力を、保護者の方は優しく見守る気持ちを忘れないで。
良い1年間が過ごせるといいですね。
今回はここまでにします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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