教員・教育関係 現場の内情

【非常に難しい問題です】小学校教員異動の際の引継ぎの現状

投稿日:2019年3月17日 更新日:

 

こんにちは、今回は【非常に難しい問題です】小学校教員異動の際の引継ぎの現状というテーマで話を進めていきます。

 

こんな方におすすめ

  • これから教員をしようと思っている方
  • 小学校教員として働いている先生方
  • 小学校の引継ぎの実態を知りたい方

 

今回、ここで話す引継ぎとは、先生から先生への子どもの情報の引継ぎのことです。

 

学校は情報がありすぎて、引継ぎが困難?

 

3月に入ると、小学校では来年度に向けて、引継ぎの準備が始まっていきます。引継ぎとは、他の者がしていた仕事などを、次の人が代わりにその仕事を行うことです。

「あなたは来年度異動なので、引継ぎをしておいてくださいね。」などと一言で言われても

「何を?どこまで?どのように引継ぎをすればいいの?」と困ってしまうことでしょう。それでは、引継ぎとはどうしていくことなのでしょうか。今回は小学校にスポットを当てて考えていきたいと思います。

 

 

小学校には子どもに関する様々な情報があります。いじめ、不登校、虐待などさまざまな情報があり、正確に記録を残していかなければなりません。そんな子どもたちの情報はとてつもない量で、書面に残していくのも、PCの中にデータで保存していくのも、膨大な作業とリスク管理が必要になります。

なので、残していく情報とそうでない情報の線引きが難しく、

どんな子どもの情報でも、とにかくたくさん残していこう」と考えて、引き継ぎ資料作成をていねいに行っている小学校では、教員に相当な負担を課すことになってしまいます。仮に、そのようなことをして子どもの引継ぎの記録を残せたとしても、次の担任の先生が、新年度がスタートするまでに、その膨大な情報量を全て把握することなど不可能です。

引継ぎをすることは大切であることはわかっていますが、どの程度までの情報量を次年度へ引き継いでいったらよいのかも明確していかない限り、決して役に立つものになっていかないのです。

 

 

現場でできている引継ぎレベルと先生方の本音

 

新年度を迎えるにあたって、小学校現場で、できている引継ぎの段階をお話しします。これからお話しすることは全ての小学校に当てはまることではないので、こんな引継ぎをしているところがあるよっていう程度に考えていただけたらと思います。あくまでも、私が感じてきたことであるということを一言付け加えておきます。その点をご理解の上、読んでいただけたらと思います。

 

どこの小学校も年を越した1月くらいから、来年度に向けて各学年の子どもの報告をする会議を設けています。学級で気になる子どもについて、子が困っていること、それについて担任がしていること、来年度をその子どもを見ていくにあたって知っておいてほしいことなどを順に先生方に伝えていきます。全職員に対して、書面で報告する場合もありますし、PC上に保存された情報を元に報告することもあります。これが一つ目の引継ぎになるのですが、これはあまり意味がないです。子どもと実際に関わっていないのに、子どもの情報をどんどん話されても頭に入ってきません。子どもの情報が膨大すぎて覚えきれないのです。

 

さらに、報告される子どもの数が非常に多い場合があります。子どもが100人~200人くらいの小規模の学校なら、一人一人の子どもの報告もなんとなく覚えておける数かもしれません。しかし、1000人規模の小学校の子どもの報告となると、もう先生方の頭の中はパンク状態です。報告の話が速すぎてわからない・・・顔写真見ただけで覚えておけない・・・せめて名前だけは・・・こんな感じで、みんな撃沈しています。(笑)

 

これはどこの小学校に行ってもそうでしたね。せめて、担当学年が決まり、受け持つ子どもが決まった状態であれば、話を聞く意識も違うでしょうけど、誰を受け持つかわからないような状態で、会議の中で多数の子どもの情報を垂れ流しされても、覚えておけるはずないです。担当の先生が記録を取って残している場合もあるので、後で各自確認するということで済むはずです。最初から会議での報告なんていらないです。

 

 

新年度になると、担任から子どもの情報を教えてもらう時間をとっている学校もあります。これが引継ぎ第2弾になるのかな。こちらの引継ぎも私個人としてはあまり参考になった記憶はありません。1クラス40人弱いる子どもの情報を順に聞いていくのはそれだけでも大変なのですが、先生によって一人ひとりの話が長すぎて話が全然進まないことがあります。子どもに対していろんな思いがあるんでしょうけど、こちらとしては「特に気になる子だけで十分なのですが・・・」と心の中で思ってしまい、だんだん頭に話が入ってこなくなります。

できたら書面に載っている情報以外の部分だけを聞けるような引継ぎにしたいものです。そして、この時期(4月、5月)はとてつもなく忙しいので、子どもの話を聞くことも大事ですが、新学期に向けてするべきの準備が山のようにありますので、ゆっくり一人ひとりの子どもの話を聞いている時間の余裕はありません。

 

まぁ文科省のお達しで、子どもの報告をしっかりし合うようにということになっていますので、引継ぎという名目でどこの小学校でもしなければならないのです。

 

 

おそらく上記に書いてきたことが先生方の本音だと思います。どの先生も引継ぎはそれほど必要だと思っていないということです。経験のある先生方は子どもを見るプロですので、数日子どもと接していけばすぐに実態をつかめてきますし、その対応策も見えてくるものです。

「経験が少ない先生には必要ではないか?」と思うかもしれませんが、逆に経験が少ない先生は、その引継ぎを聞いて、ピンとくるでしょうか。なんとなくわかったような気がするだけで、すぐに実行できるほど簡単なものではないでしょう。「こんな子どもなので、こう対応しましょう。」と事前に言われていても、いざ子どもと接するときに、その情報を思い出して即対応なんて難しいです。雑務で忙しく一日一日をこなしていくだけで精一杯なはずです。

 

やはり、子どもと接していく中で実態を知り、先生方自身が肌で感じながら対応策をつかんでいくことの方が大事ですからね。どうしたらいいだろうという悩みを持って初めて引継ぎ情報を活かせるようにするのです。それでも全然遅くないです。

 

 

正直なところ、引継ぎに時間をとられるくらいなら学級経営の準備をしたいのです。もっと引継ぎを効率化してあげましょう。まだ現場では、よりていねいな引継ぎが必要で、効率的にしていくような流れにはなりにくく、学校全体の理解は得にくいのかもしれません。致し方なしですね。

 

 

効率的な引継ぎとは

 

先生から先生への引継ぎ

 

それでも、こんな引継ぎにできたらいいなぁというものを書いてみたいと思います。

年度内のうちに、最低限の子どもの引継ぎの情報の記録を残しておくのです。最低限でよいと思いますので、学期末に1回、子どもの情報をチェックする時間をとり、これを3学期まで続けます。引継ぎ記録の学年打ち合わせを行事予定に作り、各学年一斉にします。引継ぎ記録シートのようなものを作り、そのシートの内容にそって書きこんでいきます。これも各学校で作っていけばよいですし、書きこみ式が大変ならチェック式のシートに作り替えるのも手です。作ったものはもちろん学校内で共有できるようにします。

あとは、新年度を迎えた時に、書面で確認する時間を確保したらよいです。足りないところ、もっと聞きたいところは、昨年度の前担任に聞けるようにします。前担任が異動でいない場合は、その子どもに関わったことのある先生に聞くか年度末に聞いておくかいたらいいです。これだけでしておけば、これまでにしていた各クラスの子どもの報告会議は必要最低限で済ませるのではないでしょうか。

 

その必要最低限と言うのは、いじめ、不登校、虐待等の緊急性が高い子どもです。このような子どもの情報は、報告会議は必要でしょう。より細かな先生同士の引継ぎは、かなり時間を要するため昨年度までに済ませておくのがベストです。こういった子どもの引継ぎは新年度になってからでは遅すぎます。さまざまな関係機関との連携もありますので、現在の進捗状況、今後の方策を新担任が引き継いで進めていくことが重要になります。新担任の負担を考えると、担任は1年では変えずに、2年刻みくらいでそのような子どもを受け持っていくようにした方がよいでしょう。

 

 

管理職でも完璧な引継ぎは難しい

 

実は、管理職も建前では報告、連絡、相談を大事にしていますが、引継ぎという観点で見た場合、管理職同士で完全に引継ぎができているとは言えないのが現状です。管理職の在校期間は長くても3年くらいです。その3年の内容をわずか1か月ほどしかない引継ぎ期間で、学校運営、子どもの情報等の引継ぎをしていきます。そんな期間で、次の管理職が、子どものこと、学校内のことなどを全て網羅することなんて不可能です。

前任校で管理職をしていたとしても、学校が変わればやり方も大きく変わることもあるので、新しい学校のことを1から覚えるのは相当大変です。さらに子どもの情報もこと細かにつかんでおくなどということができるわけないがないのです。私たち教員には、口うるさく言うこともあるかもしれませんが実際は管理職も難しいのです。その辺の実態は学校外の人、例えば、保護者の方などに理解してもらうのは難しいのかもしれませんね。ここは大きな悩みです。

 

先生側と保護者側の引継ぎの感覚は違う

 

過去に、保護者からこのようなことを言われたことがあります。

保護者「昨年度にA先生に〇〇のことを伝えていたのですが、新しいB先生にはそのことが何も伝わってなかったのです。伝えておいてもらうよう言っていたのに・・・引継ぎがされていないのではないですか。来年また新しい先生に変わった時に、ちゃんと伝えてもらえるのか心配なんです。」

ごもっともなご指摘です。でもけっこうこのケースは非常に多いように思います。

 

保護者の方は、前年度の管理職・担任の先生に伝えたことは、全て新年度の先生にも伝えてくれているはずだと思っておられます。確かにそうなることが理想なのかもしれません。しかし、私たち教員側からすると保護者が思っているるまでの話の内容全てを伝えているということはありえません。

 

 

伝える側の先生が重要だと思うことは引き継いでいますが、重要だと思っていないことは伝えていないことがあります。そもそも前担任が知っているその子どもの全ての情報を伝えるなんてことできるわけがないです。

保護者→伝えたことは全て。 学校→保護者から聞いた中で重要なことだ

この感覚の違いが大きな問題なのです。

 

 

では、いったいどうすればそのような誤解や不信感をなくせるのでしょうか。おそらく不安な保護者の方ほど、子どものことを引き継いでくれているか、知ってくれているかを気にしています。より不安が高いと、来年度に向けてこんなことを伝えててほしいということを話をしに来られます。そんな時には、どの内容の話を引き継ぐのかというのをしっかり確認し合うことが重要です。漠然と今日のことは伝えておきます」けでは不十分でしょう。

 

 

正直に「今日の話は全てお伝えできるかわかりませんが、必ず〇〇の3点は伝えておきます。」くらいに言っておくようにしましょう。そもそも話し合った内容全部次の先生に伝えるのは無理な話ですし、話し合いを全て伝えるためには音声記録して後で聞きなおさないといけないということになってしまいます。ムリゲーです。(笑)

 

もし、保護者がこちらが示した引継ぎ内容で難色を示されたら、

「具体的にどの内容を伝えていたらよいですか。」とお伺いを立てておくと丁寧でしょう。ちゃんとこちらは引継ぎをする気があるよっていうメッセージになりますからね。そういう気持ちも大事で、保護者の方も前向きになって、考えてくれている。」と安心できるものです。そのあたりの引継ぎ具合も保護者のニーズに合わせながらになるのでしょう。

 

保護者の感覚は私たち教員とは違うのだという意識を持っておくことが重要ですね。

 

 

学校で議論するべき課題

 

一言で、引き継ぎと言っても、伝える人によって変わってくるところが大きいでしょう。先生同士の引継ぎの場合は、ていねいに前担任の話を聞くことも大事ですが、時間をかけすぎると新担任の負担になってしまいます。かといって、引継ぎ時間が少なすぎて、前担任が新担任に伝えていなかったことがあり、保護者の信頼を失ってしまうような事態もあり得ます。

どの程度の引継ぎをするにしても、誰も困ることがない引継ぎにしたいものです。

 

しっかりと引継ぎの枠組みを学校内で作り、先生同士も保護者も困ることなく、子どもの指導に活かせる引継ぎをしていきたいものです。先生が困るということは、子どもも困るということになりますからね。しっかりと学校でできる引継ぎのレベルを確認し合い、よりよい引継ぎをしていってほしいです。

 

 

今回はここまでとします。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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