こんにちは、今回は【簡単にできるおすすめ実験パート2】野菜の種調べについて記事を書いていきます。
こんな方におすすめ
- これから小学校教員になろうと思っている方
- 理科の実験や植物が好きな先生方
- 野菜の種調べをして、子どもに食べ物の興味を持たせたい方
野菜の種調べをしよう
野菜は子どもが口にする身近な食べ物の一つであり、非常に興味のあるものです。野菜嫌いな子も多いですが、実際の野菜を使って学習をすることでたくさんの学びが得られます。
今回の授業は野菜の種にスポットを当てています。本来なら気にすることなく捨ててしまう種ですが、実は野菜にもたくさんの種があり、この種で命をつないでいることを知ることができます。
この種調べの学習は、いろんな教科と関連付けて行うことができます。
生活科、理科、総合、図工などで実施することができそうです。
また、社会でもいけますね。3年生なら農家の方たちの仕事を調べる学習があり、野菜を育てる工夫などを学びます。そういった学習をしている中で、実際の野菜を触ることができると、より野菜への理解が深まり、学んだことが定着しやすくなります。
今回の授業は、野菜の種を調べる学習図鑑を参考にしたもので、それを私なりにアレンジして実践しています。
野菜の種を調べる学習では、実際の野菜の種の形や大きさ、数、並び方などを実際に触りながら学習していきます。
実際に自分たちで切って野菜の中の様子を見てみるというのが興味をそそり、楽しいところです。
野菜によって切った断面図は様々なものがあることに気づくでしょう。子どもにとって、自分で野菜を切って種をじっくり観察する機会はまだあまりないでしょうから、改めて観察してみるとたくさんの発見があるでしょう。
野菜の種調べの学習をさせるとなると、たくさんの野菜を集めなければならないこと、安全面で配慮しないといけないことなど色々と準備は大変ではあります。
当然、多少の手間はかかりますが、私が実際にやってみた感想は、
「大成功!」
「やらせてあげてよかった」
「またさせてあげたい」
というものでした。何よりも子どもたちが楽しそうに、積極的に参加してくれていたのが良かったですし、活動の様子、プリントの振り返りの記述内容からも伝わってきたのです。
ぜひ、興味ある方には実践していただきたいと思います。
野菜の種調べの進め方
今回はあくまでも種を調べる学習をメインに進めていますが、図工の授業として、野菜の断面図を画用紙などに描かせる授業も面白いと思います。今回は理科の授業として実施しています。
所要時間と実施学年について
所要時間は2時間がおすすめです。
まず最初の1時間で、簡単な準備、野菜を切る、野菜の断面図を描く。この3つをしていきます。
1通り終わり次第、実際に種を数えていく活動に写ります。種を数える学習で1時間とっておきます。
実施する学年は3、4年がおすすめです。3、4年生では植物の育てる学習をしていきますので、そのまとめとして実施するのが良いと思います。
5、6年生でも、もちろんできます。ただ5、6年の理科は、植物の発芽、働きなどが主な学習活動になります。
種調べを理科の授業と関連付けて学習ができないわけではないですが、やるなら図工の時間などでやってみると良いと思います。
1、2年生の生活科でも実施できますが、ハサミ、包丁を使って野菜を切る場面があることと、野菜を触った手で目をこすってしまうリスクを考えて実施しないのが無難かと思います。
準備物について
教師の準備物
9種類の野菜、果物を用意
今回私が授業で使った野菜を紹介します。スーパーに行くと古くなった見切りの品を置いている場合があるので、そこから使えそうなものを探し、安いものだけを購入しました。
左上から右へ順に書いていきます。
かぼちゃ 1/4カット 130円
キウイ 1個 100円
きゅうり 1本 30円
すだち 1袋(6個) 70円
ミニトマト 1パック(7個) 100円
ししとう 1パック(20個) 90円 →手袋必須
おくら 1袋(6本)70円
マクワウリ 2個 100円
ピーマン 1袋(7個) 120円
合計810円(税抜き)でした。だいぶ余裕を持って多めに買ってこの値段です。かなり格安で買えました。
学年会計の余った金額でやるのもよいかもしれませんね。これだけ野菜があれば、1人1つは渡すことができ、種を調べをすることができます。
学習プリント
ボックスティッシュ 2箱
包丁 2本
まな板 2つ
チラシ 人数分
ビニール手袋(アレルギー対応児童用)
軍手
片づけ用ビニール袋
野菜、果物を選ぶ際、気をつけておくことが3つあります。
1つ目は、野菜や果物のアレルギーがある子がいないかどうかです。それは購入前に確認必須です。
また、アレルギー対応が必要な子どもにはビニール手袋をつけさせておくのが無難です。
2つ目は、購入した野菜や果物に種があるかどうか確認しておくことです。できるだけ数えやすいものを用意してあげるのが良いです。
大きな種が1個入っているアボカドなども購入して見せてあげるのはよいですが、種を数える学習には向きません。一瞬で終わってしまうからです。
種数えをしておすすめ野菜できる野菜は、かぼちゃ、おくら、ピーマンです。この3つは種が数えやすいです。
数えにくかったものは、キウイ、きゅうり、ミニトマト、マクワウリです。これらの野菜、果物は水分が多く、手が汚れてしまったり手にくっついてしまったりして大変そうでした。
極端に種が少なかったものは、すだちです。2~4個くらいしか入っていなかったです。すだち以外は種が多く入っており、1つの野菜で400個も見つけた子がいました。そこまで数えたのもすごいです。
野菜の種類によっても、大きさによっても、種の数に違いがあることに気づけたようなので、それはそれでよい勉強になりました。
気を付けること3つ目は、ししとうです。
ししとうは唐辛子ほどではないですが、やはり辛みのあるものですので、ししとうの中身を触った手で目などをこするとやばいことになります。病院に連れていかなければならない事態もあり得ますので、特に注意が必要です。それを言えば、すだちの場合も目に入るのはよくないですが、ししとうの方がピリピリと痛みが残ってしまう可能性があり危険です。
なので、ししとうを使う場合は、素手での触察はやめておき、ビニール手袋をさせておくのが無難です。
子どもの準備物
筆記用具
色鉛筆
ハサミ
教室のぞうきん一人1枚
授業の進め方
めあての確認
まず、授業のめあてを確認しておきましょう。今日は野菜の種を調べる学習をすることを伝えます。
これまでに植物を育てる学習の中で、植物には種があり、その種が芽を出し、葉が伸びていきます。そして、花を咲かせ、実をつけ、種を作り、やがて枯れていくという植物の一生を学んでいます。
それが野菜にも当てはまるのかな?と疑問を持たせます。当然調べてみたいということになり、野菜を使って確認してみようと言って進めます。
まず、全員に学習プリント1枚、チラシ1枚(汚れ防止のため机上に広げる)を配ります。そして、観察したい野菜を選ばせてあげましょう。一人1個野菜が決まったら、注意事項を伝えます。
むやみやたらに切り刻まない、野菜から水分を出さない、触った手を目や口に入れない。このあたりのことは必ず言っておきましょう。板書の一例載せておきます。
野菜を半分に切る
次に野菜を半分に切らせていきます。ハサミで切れる野菜を選んだ子は、各自ハサミで切らせ、包丁を使って切りたい子は包丁で切らせてあげます。教室の前にまな板と包丁をセットしておき、順に切りに来させます。包丁を使う際は、軍手をさせておくと安全です。
野菜の断面図を描く
野菜を順次切り終えた子からプリントに切り口の断面図を描かせていきます。特に、種の大きさ、形、並び方などに着目させて描かせるといいです。
時間に余裕があれば、野菜の中に種がある様子を見て気づいたことを書かせて発表させます。3年生以上なら15分もあればできるでしょう。
野菜の種を数える
いよいよ種を数える学習です。子どもたちは喜んで数え始めます。
机の上に広げたチラシの上に順番に並べていくと数えやすいことを伝えてあげましょう。大きな種の場合は数えやすいですが、種がとても小さい場合は取り出すのも大変かもしれません。あるなら、ピンセットを用意してあげましょう。
手が汚れた子用に、教室の前にボックスティッシュを用意しておくとよいです。1通り数え終えた子は、手を洗いに行かせます。あまりの野菜があれば切らせてあげてもOK。
片付け
種数えが終わった子から、野菜とチラシを分類して捨てるように言っておきます。教室の前に大きなビニール袋を用意しておき、そこに分けて捨てに来させます。
野菜から水分が出てきていてびちゃびちゃになっている可能性があるので、後はぞうきんで拭かせていきます。
プリントに記録と振り返り
片付けが終わったら、種の数の記録と振り返りを書かせていきます。プリントには、種の数、種の形、種の大きさ、並び方などと項目ごとに書かせてあげるとまとめやすいでしょう。
触った感じやにおいなども書いてよくよう伝えます。そして感想を書いて終了。
授業をやってみての感想
やはり体験的な活動は楽しいですね。五感を働かせて観察すると、写真で観るだけよりも多くの気づきが得られます。これまで気が付かなかった野菜の面白さに気づくでしょう。
子どもたちから
「野菜の水分が多かったのがびっくりした」
「思っていたより種の数が多かった」
「マクワウリはメロンのにおいに似ていた」
などと感想に書いてくれていました。今回の活動を通して、色んな発見ができたことが伝わってきました。
授業を通して、じっくり野菜を観察してみるのもいいでしょう。
ぜひ、みなさんも一度チャレンジしてみてください。
今回は以上です。
最後までご覧いただきありがとうございました。